四十一 ・ ページ43
『おーい安吾…流石の私でも君を縛るのは…気が引けると云うか…もう工作しなくて良くない?』
「工作には必要な事です…彼を欺く為には…」
『あの…本当に申し訳無いと云いますか…昔から不器用なので臓物出ても我慢出来るかと云いますか「流石に臓物は勘弁ですよ…」』
私は今安吾さんを逃がす為に工作をしている。
ボロボロな建物の中椅子に安吾さんを固定する作業…流石に推しか推しじゃないか以前にキャラクターを縛るのは気が引ける…
『じゃあもう何があっても勘弁ですよ!!!!!』
「…縛り過ぎでは!?!?!?『縄で縛られた事ないから分かりません!!!!!失礼します!!!!』」
そそくさと私は帰って行った。
織田side
「…鞠?」
後ろを向き、転がってきた鞠を拾う____________。
すると異能が発動し、未来が見えた。
やけに煩くなる心音。
手を覗いてみると毒が入っていた__気付いた時にはもう遅い。
「しまった…!毒かっ…」
見えた未来がもう一度繰り返される。
俺の異能力_天衣無縫は五、六秒の未来を予見出来る_
だが未来に起こる事を察知した時既に罠嵌っている場合は回避できない。
この罠を仕掛けた奴は…俺の能力を知り尽くした奴だ…
数名の銃を持った人が現れ、辺りを見渡す。
目を閉ざしていた事なのかもしれない…
「織田作さん…先程は僕がお話したミミックの内情は全て真実です…嘘偽りはありません」
「助けて頂いて有難う御座いました…っお元気で…」
燃え滾る建物の前_俺は立ち上がる事すらも許されなかった。
「もし許されるなら…太宰君と三人で_もう一度酒を呑みたかった…何時もの店で…」
安吾は振り返る事も無く去っていった。
意識が薄れる最中__乾杯の音が聞こえる。
『織田作っ…少し揺れるよ』
誰かに優しく手を添え、其の儘意識が遠のいた。
『芥川くん…絶好調じゃ無いか!』
「貴君らか…黒衣の異能力者と渡鴉とは…」
頭巾の様な物を被った長身の男が此方へやってくる
『鴉は賢い…渡鴉なら尚更ね…良い褒め言葉として受け取っておくよ…』
「何者だ?」
男は舞い上がり、私は軍刀を抜き出した。
「俺の名はジイド…ミミックを束ねる者だ…」
『了解。ジイド…お互い良い名を持っているね…』
そう云えば、私の性癖全達成してるんだよねジイドさん。
「…」
「手合わせ願おう。」
外套から黒獣が出てきた。
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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月2日 17時