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三十九 ・ ページ41

『異能力_雪国』



文字列がバラバラと出てきて私を囲う_____。



銃声が聞こえた…その苦しそうな顔は鮮明に覚えている。



もがいている表情には不気味な笑みが隠れていた。



「…全く君達は困った人達だ…」



「本気になれば此奴ら何か一呼吸の間に殺 せるだろうに…」



「…殺したのか?「生け捕りにしても情報は引き出せないからね…なにしろ奥歯に仕込んだ毒薬が大好きな連中だからね」…ッ



「分かってるよ…そう云う意味で云ったんじゃないだろう?…けどね…相手は戦闘の達人(プロ)だ…幾ら君でも殺 さないなんて無理だ」



それはそうだ…彼に残された時間は数日…銃を握らないと生きて行けない此処で…



殺 さないのは不可能で不可解だ



「嗚呼…お前が来なければ死 んでいた…」



「織田作之助…何があろうと絶対に人を殺さないと云う心情を持つ…君をポートマフィアにその面倒な信念の所為で…組織内では使いパシリの様に扱われている…あれだけの力を持ちながら…」


太宰が暗い路地の中淡々と喋る



それはそうだ…私は彼の前では人を殺 さない…殺 せないのだから


『違う…力を振り回すのは本当の強さじゃない。』


「それよりこの襲撃だ…一体何者なんだ?「そいつの腰を見てみるといい…」



私は敵の腰を覗いてみると___

「旧式拳銃を下げているだろう?そいつはグラオガイストと云うらしい…古い欧州の拳銃で連射性能と精度がお粗末だからこの狭い路地では威嚇くらいにしか使い道は無い…恐らくその拳銃は彼等にとって腕章(エンブレム)の様なものだろう」


「自分達が何者かを示す物だろう…「何者なんだ?」ミミック…「ミミック?」詳しい事は調査中だよ…でも安吾の部屋に狙撃者が居たから…何か分かるかもしれないね」

「この金庫を取り戻す為だ…安吾の部屋にあった…だが鍵が無くて開かない…『任せて。』」

私は軍刀を取り出し、カチンっと鞘にしまった。


瞬く間に金庫は粉々になり、肝心の中身が出てきた。

「…!おいっ…何故だ?お前さっきこの銃は腕章(エンブレム)と云ったよな…?連中が何者かを示す為の…それが安吾が持ってるって事は…」


「之だけでは何とも云えない…安吾がこの銃を連中から奪ったのかも知れないし…或いは連中は誰かを陥れる偽装証拠としたかったのかも知れない…」

あったのは旧式拳銃。

「安吾は濡れた携帯傘を持っていた…けど安吾は車で東京に行っていた…この意味が分かるね?」

四十 ・※イラスト有→←三十八 ・



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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月2日 17時

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