三十七 黒の時代 ページ39
ポードマフィアは忙しそうで…何かを話し合っていた
。
『…Aです。』
「…大変御失礼致しました…Aさんっ!」
黒服の人達は銃を下げ、深くお辞儀をする。
…正直に云って苦手だ…こう云うの…
「首領、織田です入ります。」
「ねー!エリスちゃーん!そろそろこのドレス着てよ〜!」
「一瞬!ちょこっと!一秒サッと着るだけ!」
「嫌よ!絶対嫌!「お願いだよエリスちゃん…着てみて!ね!私が丹精込めて選んだのだよ?」」
苦悶のような表情を浮かべる二人に気付いていないのか森さんは相変わらずゴネている。
エリスちゃんも相変わらずバッサリと断り逃げようとする。
何気無い風景を私は眺めようとすると横に織田作が来た。
『織田作も呼ばれたの?』
「綺麗な洋服は嫌じゃない…リンタローのその必死さが嫌!」
『__森さん…』
引き目に見ていた私に気が付いたのか正気に戻ったのか…結果は明らかだが森さんは座り直した。
私の背より大きい窓が機械によって閉まる___。
「さて…織田君、A君…「はい。」君は何も見ていない、良いね?」
「はい…何も見ていません…首領は幼女の着替えに忙しい中、俺のような者の為に時間を割いてくれました…それでお呼び出しの理由は?」
織田作っ…それは知っているのと同等だよっ!!!!
彼の天然さは私でも理解が出来ない位だ…
「…?ふふっまあいい…君達を呼んだのは他でも無い…人探しを頼みたいのだよ…」
「行方不明になったのは__情報員の坂口安吾君だ。「…っ!」
薄暗い部屋から信じられないほどの悪寒が走る___。
「安吾君が消息を絶ったのは昨日の夜_自宅に戻って居ない様だ。」
「自ら姿を消したのか…或いは何者かに拐かされたのかはまだ分かっていない。」
「…知っての通り安吾君はポートマフィアの情報員だ…彼の頭の中には他の組織に売れば我々を潰せる程の秘密が詰まっている。」
森さんは羽根ペンを軽く持ち上げ、紙に何かを書く。
人型のぐちゃぐちゃは窓付近でうたた寝をしながら話を聞いていた。
まるでこの状況は奇異そのものだろう。
「何かあったのなら助けたい…銀の託宣だ…持っていくが良いこれを見せれば組織内では何かと便利が図れるだろう…幹部も顎で使える。」
「君は幹部の太宰君とは個人的に仲があるそうだね?立場を超えた友情と云う訳か…彼の実力は飛び抜けている。後四、五年もすれば私を殺 して首領の椅子に座っているだろうね。」
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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月2日 17時