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二十八 ・ ページ30

「仕事ぉー?中也はポートマフィアの仕事なんてしないよ!」



「そうさ…もう人質も居ないしな。」



「行こうよー中也ー……っ?中也?」



構成員の女が中也に声をかける。



「悪いが_お前達だけで行ってくれ_」



「何言ってんだお前!」 「荒覇吐が先だ_!」



構成員の腕を振りほどく_


「犯人をどっちが先に見つけるか_其奴と賭けをしちまった…」



「…お前が敵をぶっ飛ばすの皆が待ってるんだぞ!」



「それくらいにしてあげなよ…彼は自分の異能をどう使うのか_自分で決める事が出来る_そんな事は考えれば子供でも分かるよ…」



「議論の余地すら無い…」



『もう行こう…弁解の無駄だ。』



私達は歩き出した





「楽しみだなー…自由を得た記念に、こんな盛大なパーティを催して貰ったと知ったら__チビの彼はどれくらい喜ぶだろうか」



彼は椅子に座り、嫌味を口から垂れさせていた。



『やっほ〜…って先客か…まぁ良いや写真撮りに来ただけだし…』



「太宰君_A君_例の荒覇吐の件君達は犯人が分かったと云ったが…それは本当であるのか?それとも中也くんを虐める為に付いた嘘か?」



「勿論両方だよ…彼の前で云ったのは賭け勝負を受けさせる為だけど_犯人が分かったのも本当だ…」



「ほう…?なら二人同時に云ってくれないか?」



「『貴方だよ_蘭堂さん』」



『貴方が先代の偽装をし、荒覇吐の噂を広めた_他に聞きたい事は?』



「根拠は何だ?」



『貴方はミスを一つ___していたのだよ…それも初歩的なね…

貴方は"海は月明かりを称え、静かに揺らいでいた。"と云ったね?

でも被害に合った場所は海も見えない様な広い土地のど真ん中!先程検証してきたけど矢張り海なんか見えなかった。』




「そう…見れるはずないのだよ_直径2kmほどの巨大な窪地の中に居たらどう見たって見えるはずが無い。」



『荒覇吐の設定は芯が通った説明じゃないとダメだった…信憑性は合ったよね…何故だ?貴方はその時実際に見たんだよ_海をね_荒覇吐を見たのは八年前だから…大戦末期の巨大爆発が起きる"以前"だ。』



「君達二人は賭けに勝った…より早く犯人に辿り着いたのだから。」


『いーや私は君の写真を撮りに来ただけだ__死ぬ前に異能と君を記録して置かないと…』


「私が死ぬとでも…?ははっ…笑わせる」


叫び声と共に影から


嗚呼…どうやら時間の様だ…生双黒の戦いが見れるらしい。

二十九 ・※イラスト有→←二十七 ・※イラスト有



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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月2日 17時

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