二十六 ・ ページ28
「何方が先に犯人を糾弾出来るか勝負しよう…君が勝てば先程の賭けは無かったことにしてもいい…」
「でも僕が勝ったら…君は一生僕の"犬"だ!」
太宰さんの挑発的な発言に中也がゲームの機械に足を乗せる…
ガツッと訛った音がした。__今のゲーム機壊れたよね?
「上等だ!受けてやんよ!俺に狡猾さも周到さもないだとぉ?手前見たいな奴に奥の手を見せる訳ねーだろぉ!」
「君が拳をしまったまま蹴りだけで相手を渡り合うのはその奥の手ってやつと関係があるのかい?」
「…どう戦おうと俺の勝手だ…」
「成程…意図的に手を抜いている訳だ…所で何故荒神である荒覇吐を探している?なぜ興味を持った?」
「"っ…」
中也は咄嗟にフードを被り、機械の下へと潜る
「どうしたの中也?」
「少し静かにしてろ!」
『あれだよあれ………誰だ?』
「あーあの二人?」
ゲームセンターの入口に立っている二人組_。
手首に青いバンドを巻いている…羊の構成員だ
「何が不味い事でもー?」
「連中と会っていい状況じゃねーだろ…」
既にニヤニヤしそうな私を横目に太宰さんは急に大声を出し始めた
「「おーい!中原中也くーん!仕事に行くよー?ボスの命令でだ!」」
『後は君次第でしょ?組織の長として隠れてばっかじゃ話にならないし』
羊の構成員は私達三人組に気付いたのか早歩きで此方に向かってきた。
「中也!やっと探したぞ…「 」
「お、おう…お前ら…無事だったか…」
中也はまるで注射前の犬の様に大人しくなった…今にでも吹き出しそうだ
「明や翔吾達がポートマフィアに攫われた!早く奴らのアジトに殴り込んで痛い目見せてやろうぜ!」
「心配すんな…その件は対処中だ…」
『そー…中原サンは対処中だよ〜。』
私はひらひらと手を振った。
構成員が此方を向き、?を顔に浮かべていた。
「それより_君達が調べた荒覇吐の噂について教えてよー…何かわかった?」
「誰だ此奴ら?」
「入団希望者?」
「ま、そんなもんだ…悪ぃが此奴の質問に答えてやってくれ…頼むよ」
「まぁ…良いけど…俺達が調べた限りだと黒煙やポートマフィアの先代を見たって噂はここ一週間で爆発的に増えてる。」
「確認出来る限り一番古い噂は?」
「_多分八年前だ…大戦末期、擂鉢街を作ったあの巨大爆発。荒覇吐が出した被害はこれ以前には無い。」
『矢張りそう云う事か…』
「此奴本当に羊の新入り?」
そろそろ潮時か…
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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月2日 17時