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十三 ・※イラスト有 ページ14

「良いの…A私の所為だから…貴方は何があっても生きなさい…」





『どうすればいいの…?お母さんっ!』





悲痛な声だけが部屋に響く_____。





生命維持装置が切れかけの様だ___呼吸や脈が薄くなってゆく_




お母さんは何度呼びかけても帰ってこない。





自分の不甲斐なさに(はたらわ)が煮えくり返りそうだ。





殺す事も_生かすことも出来なかった。


自分で判断が出来なかった。




私は覚悟の足らない儘自己満足の人殺 しをした。




殺 戮者よりも許されない事だ_____。



<コウスレバイイノ…A>




私はするが儘に心臓に血濡れのナイフを突き刺した___。




血飛沫が舞って、私の服に付着した。




その姿はまるで彼岸花の様だった。










溢れてきた涙を私はただ受け止める事しか出来なかった。




唯、悲しかった。



私は複数の拍手が聞こえた。




まるで私の母親を嘲笑うかの様に拍手は止まらない。




「ポートマフィアへようこそ。A君。君はポートマフィアの前衛小部隊隊長となった。私は森鴎外…森さんと呼んでくれ。」




私は後ろを振り向く…そこには太宰治と森鴎外が居た。




「それと…前の首領は病死したよ。」



どうやら先代が暗 殺された後の事らしい。



私は森さんの黒い顔が垣間見え、悪寒が走った____。




私がポートマフィアで出来る事は唯一つ______。







織田作之助を死なせず、太宰治を救う事だ。





無謀だがやってみるしかない。







彼は真っ当な善人だったのだから。





彼に命が尽きるまで小説の筆を握って欲しいからだ。

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作者名:黎明 | 作成日時:2023年9月2日 17時

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