【文豪ストレイドッグス】もう一匹の迷い犬(ストレイドッグ) Ⅱ (ページ4)

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第三十二話ページ4

田中「休憩(きゅうけい)の時(とき)に飲(の)む珈琲(コーヒー)は格別(かくべつ)だね」

乱歩「それがブラックだったら絵(え)になるのにね」

田中(たなか)は「うっ……」と云(い)って一口(ひとくち)飲(の)んだ。

国木田「太宰(だざい)が行方(ゆくえ)不明(ふめい)ぃ？」

敦「電話(でんわ)も繋(つな)がりませんし、下宿(げしゅく)にも帰(かえ)ってないようで」

敦(あつし)以外(いがい)の四人(よにん)は顔(かお)を見合(みあ)わせる。

国木田「また川(かわ)だろ」

賢治「また土中(どちゅう)では？」

乱歩「また拘置所(こうちしょ)でしょ」

田中「またナンパでもしてるんでしょ」

敦(あつし)は四人(よにん)の応(こた)えに呆(あき)れる。

敦「しかし、先日(せんじつ)の一件(いっけん)もありますし……真逆(まさか)マフィアに暗殺(あんさつ)されたとか」

国木田(くにきだ)は「阿呆(あほ)か」と云(い)って珈琲(コーヒー)を飲(の)んでいた手(て)を止(と)める。

国木田「あの男(おとこ)の危機(きき)察知(さっち)能力(のうりょく)と生命力(せいめいりょく)は悪夢(あくむ)の域(いき)だ。あれだけ自(じ) 殺(さつ)未遂(みすい)を重(かさ)ねて、まだ一度(いちど)も死(し)んでない奴(やつ)だぞ。己(おのれ)自身(じしん)が殺(ころ)せん奴(やつ)を、マフィア如(ごと)きが殺(ころ)せるものか」

敦「でも……」

谷崎「ボクが調(しら)べておくよ」

突然(とつぜん)聞(き)こえた声(こえ)に全員(ぜんいん)がドアの方(ほう)を向(む)く。