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【カルト=ゾルディックと姉】
借りていた本を返すために姉の部屋をノックする。返事はない。部屋の鍵は開いているようだったので、カルトは静かに部屋に入った。
ふと気配を感じて見てみれば、天蓋付きベッドのカーテンが閉められている。そっとカーテンからベッドの中を覗くとお目当ての人物の姿。
すやすやと完全に気を抜いて眠っている。あどけない寝顔をカルトはじっと見つめた。やがてゆっくりと手を伸ばし、目の下をなぞる。
「姉様、隈ができてる……」
そういえばここ最近、Aは仕事ばかりで見かけていなかったような気がする。お疲れなのだろう、と本を置いて後にしようとした時。
『カルト』
「……!!、ね、えさま。もしかして僕、起こしてしまいましたか?」
『いいえ。あなたが部屋に入ってきた時には起きてたもの。ただ少し微睡んでいただけよ』
Aは小さく欠伸をするとカルトを手招く。姉の白銀の髪が揺れ、それがとても綺麗に見えた。戸惑いを隠せないままベッドの側に寄る。
そんなカルトの様子を見て、姉はくすくすと笑みを溢すとカルトの着物の袖を引っ張り、ベッドの中へと引き込んだ。姉に抱き締められる。
「あ、あの」
『少しこうしてなさい。最近はカルトと会えなかったから。こうしているのも悪くはないでしょう』
「……はい」
何故か照れ臭くて頬を赤らめてうつむく。姉と話す時はほんの少しだけ緊張するし、それでいて一緒にいると甘えてしまう。そんな矛盾。
「姉様。本、ありがとうございました」
『いいのよ。どう?面白かった?』
「とても面白かったです。勉強になりました。姉様さえ良ければまた貸してもらってもよろしいですか?」
『えぇ。そんなに遠慮しないで勝手に部屋に入って持っていてしまっても良いのよ』
「そ、そんな……。恐れ多いです」
『あら、私達は姉弟なんだからそんなに気にしなくていいのに。それに本だって埃を被っているよりカルトに読まれる方が嬉しいわ』
「……本当にいいんですか?」
姉は頷くと優しくカルトに微笑んだ。思わず美しい笑みに見惚れてしまう。この姉が自分の姉で良かった、と再度思う。大切な自慢の姉だ。
優しくて綺麗な姉様。
その笑顔が大好きだ。
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奈那 - とっても面白いです！！私の性癖にドストライクでした！！応援してます！！更新頑張ってください！！ (2021年10月17日 12時) (
レス) id: 7127803f97 (このIDを非表示/違反報告)
京凛(プロフ) - めっちゃ好きです!!!応援してます!!更新頑張ってください!! (2021年9月11日 20時) (レス) id: c8e77dbc20 (このIDを非表示/違反報告)
セーラ - とっても面白かったです！私の好みドンピシャでした！続き待ってます！ (2021年9月8日 15時) (レス) id: 837a48d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セニオリス | 作成日時：2021年8月21日 14時
