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【アルカ=ゾルディックと姉】
「あ、お姉ちゃん!!」
『久し振りね、アルカ』
この部屋に訪れるのは使用人ぐらいのものである。だがたまにこうして忙しい姉が遊びに来てくれることが稀にある。それが唯一の楽しみだ。
姉はとても優しいし、アルカ(ナニカ)をちゃんと家族だと言ってくれる。これほど嬉しいことはない。アルカもナニカも姉が大好きだ。
『お利口にしてたかしら』
「うん!!お姉ちゃん、頭撫でて!!」
『えぇ、良い子ね』
優しい手つきで髪を解かすように撫でられる。その優しい手が眼差しが。アルカは好きだ。誰よりも安心して甘えることが出来るから。
『今日は仕事が休みなのよ』
「じゃあ一日中一緒にいられるの?」
『勿論。ご飯も一緒に食べましょうね』
「やったぁ!!お姉ちゃん、人形遊びしよ!!」
楽しい時間はあっという間だ。一日中と言えども夕食はアルカ以外の家族と共にしなければならない。気付けばもう太陽が傾く時間だ。
使用人が入ってきて姉に時間だ、と告げる。Aは少し寂しそうに眉を下げた後にアルカに柔らかく微笑んだ。目尻に涙が溜まる。
泣きそうに歪んだアルカを抱き締め、Aは頭を撫でた。大好きな姉と別れるこの時間がいつも辛い。なかなか会えない分、より一層。
「次はいつ会える……?」
『ごめんなさい、分からないわ。でも絶対にまた来るから。それまでお利口に待てる?』
「……っ、う。分かった。アルカ、お利口に待ってるから。絶対に来てね」
『分かったわ。ナニカもまたね』
空気が変わる。アルカからナニカに変わる。だが泣きそうな顔で寂しいと訴える瞳は同じだった。Aも抱き締める力を少しだけ強める。
「あい。ねぇね、またね」
『ナニカもお利口にね』
「あい」
しばらくそうしてからAはそっと抱き締めるのをやめ、部屋から出ていった。姉が出ていった部屋はいつもより広く寂しく感じる。
「……早く会いたいなぁ」
会ったばかりの姉の温もりをかき集めるように寝転がり、アルカは目を瞑った。
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奈那 - とっても面白いです！！私の性癖にドストライクでした！！応援してます！！更新頑張ってください！！ (2021年10月17日 12時) (
レス) id: 7127803f97 (このIDを非表示/違反報告)
京凛(プロフ) - めっちゃ好きです!!!応援してます!!更新頑張ってください!! (2021年9月11日 20時) (レス) id: c8e77dbc20 (このIDを非表示/違反報告)
セーラ - とっても面白かったです！私の好みドンピシャでした！続き待ってます！ (2021年9月8日 15時) (レス) id: 837a48d132 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セニオリス | 作成日時：2021年8月21日 14時
