Sixty-nine ページ22
──翌朝。
東の村へと戻る準備をし始めている立香達一行。
彼等彼女等は目の前の茶番のようなやり取りに苦笑いを溢していた。
「いい加減機嫌を直したらどうだ、百貌の。別に私は気にしていないと言っているだろう？」
「……」
むすりとした様子の百貌のハサンに対し、まだ若干左頬の腫れが残っているバッキンガムは説得を試みていた。
というのも昨晩の件。
百貌のハサンは酒に飲まれて普段であれば絶対にしないような行為をしてしまったからである。
世間一般的に言えば、
ちなみに平手打ちや絡み酒の件は一切含まれていないらしい。
都合のいい、という言葉も今の彼女に言えば火に油を注ぐ行為のため閉口すべき。
そのため代わりに当たり前のことを言うのだが、どうやらそれも燃料の投下となってしまったらしい。
「たかだか貴殿に肩を貸してあげただけではないか」
「たかだか？ 貴様ふざけているのか!?」
「おおっ？」
目を更に三角にして詰め寄る百貌のハサンは、砂塵避けの仮面のまま。
思わず仰け反り、少しだけ距離を開けようとしたが意味がない。
「貴様にとってたかだかだろうがな、我等にとっては非常に恥ずかしい行為だったんだぞ！」
日の下のため、はっきりとわかる。
隠しきれないほどの頬の赤み。
それは明らかに百貌のハサンのそれは照れによる怒りであった。
思わずツンデレというワードが頭を
流石に毒で痺れた身体で避けられる程の敏捷も元気もない。
「それは失礼した。百貌のを辱めるつもりは一切なかったのだが、肩枕で気分を害したのなら謝罪しよう」
「謝るな馬鹿者ッ！」
まるで痴話喧嘩のように騒ぐ二人。
段々と二人を見る立香達一行の目が生暖かくなってくる。
立香に至っては「御馳走様です」っと両手を合わせており、時々野次が富んでくるのだがそれさえも百貌のハサンには聞こえることなくバッキンガムに詰め寄っている。
というより、いったい何が御馳走様なのか。
あえてツッコミは入れないほうが賢明だろう。
約十分程の交渉に交渉を重ねた末、ようやく機嫌を直してくれた百貌のハサンにバッキンガムはほっと一息吐く。
おつかれさまという目線を男性諸君からいただくため、肩を竦めて苦笑いを溢すという行為で答えていた。
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翔べないペンギン(プロフ) - 爆死なうさん» コメントありがとうございます。そういただけますと大変嬉しいです。拝読いただきありがとうございました。 (2021年2月16日 8時) (
レス) id: 968bf19702 (このIDを非表示/違反報告)
爆死なう - 素敵な作品をありがとうございました。 (2021年2月15日 0時) (レス) id: baaad41788 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2020年12月6日 18時
