第５５話 その幹部、眺め問う。 ページ8
漸く意識が覚醒したのか、Broooockの目がメイドに向けられる。
「起きた？」
[ばっちり]
「ほら書類寄越せよって」
どれだっけ〜っとゆらり立ち上がり机に当たり前に積まれた書類を漁る。ついさっき黒メイドが影を操って机にまとめていた書類を、ばらばらにしていく。
「おい、」
「陛下、書類は、どのような内容でしょうか」
「あ、えーっと」
中身を伝えると、メイドがこれですと探し出した。うん、これだわ。崩された書類の束に何も言わず、床に落ちたのも静かに影が動いて戻していた。そしてそれを一切行動でも示さなかった。
[ねぇメイドちゃん、名前教えてよ]
「俺も知りたい！」
「A・ネロ・ヘンティルと申します。無所属の新人メイドでございます」
媚びることもなく抑揚もなく、微笑むことさえなかった。淡々と何度もやったであろう自己紹介とカーテシーがそれを物語る。城に入城した日に書類で見たとしても、一切俺達は覚えてなくて、ただ黒くてレティの娘としか覚えてなかったのを、彼女は何も問いかけなかった。
「よろしくね、えっと……Aさん？」
[Aちゃん、今度からぼくのおひるね時間にいてよ。そしたらちゃんと起きれるし、書類もやるよ]
「あのなぁ、きんときが近付かないようにって魔法かけられてんだぞ、このメイド」
「仕事としてであれば、魔法は発動しませんでした。現にBroooock様がお休みの間も、今も、何も」
包帯を巻いた首を示して、そんなことを言う。怖くなかったのかな、呼吸ができなくなるとか、声が出なくなるとか、そういう恐怖は無いのかな。
「私は、メイドとして、ご主人様の命令通りにしか、動きませんので」
「そうならない自信がある、ってことね」
それ以上Aさんが自ら喋る事はなくなった。これ以上何か尋ねようにしても、きんときに見つかったらヤバいかなって思ってしまって、部屋から送り出す。あの子をメイドとして失うのは、惜しい気がした。
──────☆
ホワヒロ誰ロク、お疲れ様でした！
ネタバレに思われるかもしれませんが、私的にはメリバです……台パンして号泣しました。
曲、楽しみ〜！！
第５６話 そのメイド、実演する。→←第５４話 その幹部、安堵する。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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