第５４話 その幹部、安堵する。 ページ7
「ねぇ、レティは、元気？」
身体を起こしたものの、まだうとうとと舟をこいでいるBroooockを一旦置いておいて、そんな質問を投げかける。
「母は、元気でございます」
「えっと、なんて言ったらいいかな」
無理が祟って退職した前メイド長を、俺が気遣って良いのか？原因は俺達かもしれないのに。
「母は、私がメイドになりたいと言い出すまでは、このお城での日々をよく語ってくださいました」
「えっ」
「前国王陛下夫妻の事も当然ですが、使用人達のこと、日々の業務のこと、それから、現幹部の皆様のことを」
淡々とした言葉は、思い出を語っているようには見えないけども。
「俺達の事は、なんて？」
「母の名誉のために、黙秘いたします」
「ちが、決してレティを嵌めたいとかじゃなくて！」
「……マムは、幹部の皆様のことを、心からお慕いしております」
それは、過去形じゃない言葉だった。
呪いのせいで表舞台に立てなくなった現国王の俺も、城下町に脱走して買い食いしなくなったBroooockも、部屋から出られなくなったしゃけも、笑わなくなったきんときも、どっか抜けてるスマイルも、治療が難しいと嘆くきりやんも、みんなレティが好きだった。
厳しい鍛錬の後は冷たいレモネードをくれて、新しい事を覚えたら手を叩いてくれて、サボったら叱ってくる日もあったけど、怪我したり熱を出したら医者以上に親身に看病してくれた。
「そ、っかぁ」
「失礼いたしました。つい癖で、マムと」
「いいよ、レティが母親なんて、羨ましいよ。あっ、もちろん母上を嫌ってる訳じゃないよ！？こう、なんていうか、自分が王族に生まれてなかったら、こんな母親がいいなって」
レティは自分の事をあまり話す人ではなかったから、生い立ちなんて知らないけど。それでも、レティに嫌われてないんだって知ることができて、俺はこっそり、息を吐いた。
第５５話 その幹部、眺め問う。→←第５３話 その幹部、重ねる。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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