第９７話 その使い魔、呼んでくる。 ページ50
ご主人が泣いている。ぼくと居るときだけ、自分のお部屋で泣いている。
「シーニー、俺、どうすれば良い？」
ご主人だけがなにもなかった。ほかのみんなはどこか使えなくなった。王様は鼻、チーのご主人は声が出なくなって、おいしゃさまは目、リーラのご主人は耳、グリューンのご主人は力が加減できなくなったらしい。わるいおひめさまのせい、らしい。
「シーニー、ごめんね、こんなたよりないご主人で」
そんなことない。ご主人は、がんばりやさんなんだ。がんばりすぎて、苦しんでるんだ。
今日はまだ、なにも食べてない。ほかのみんなには食べるよう言ってるのに、しごとが忙しいって、食べないときもある。ぼくはご主人が悪いなんて、おもってないのに。
どうしたら、ご主人は、わがまま言ってくれる？
「シーニー、？」
待ってて、ご主人、あの人呼んでくるね。
ぺちぺち、ぺちぺち。ご主人が嫌っていうかもしれないけど、あの人しかいない。
「あなたは確か、きんとき様の使い魔さん、でしたよね」
来て。ついてきて。ご主人がきらいなのは知ってるけど、いま呼べるメイドさんがキミしかいないの。きて、きて。
「きんとき様が、お呼びなのですか」
ちがうの、でも伝えられないから、急いで向かう。ぺちぺち、ぺちぺち、もどかしい。
「きんとき様、お呼びではなかったのですか？」
「いや、呼んでないけど」
「では、きんとき様の使い魔さんの、人違い、でしょうか？」
人違いじゃないよ！合ってるよ！ご主人、ご飯持ってきてって我が儘言ってよ！
「はー。もう、帰って。自分の事は自分でやるから」
「かしこまりました。何かございましたら、お呼びくださいませ」
行っちゃった……まちがえちゃったのかなぁ。
ご主人がぼくをだっこする。ご主人が顔を見せたくない時にするだっこだ。
「シーニー、気を遣ってくれるのは嬉しいけど、俺は大丈夫だよ。大丈夫でいないと、いけないんだよ」
ご主人、泣かないでよ。
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続編は10日頃にスタート予定です。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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