第９４話 その幹部、ドキドキ。 ページ47
足元が浮いて、視界が一気に真っ暗になる。悲鳴が出せるなら絶叫してただろうし、魔法だって知らなかったら絶対に慌てちゃう。それくらい一瞬で、片手でしか掴んでなかったAちゃんの袖を、両手で、腕を掴んでしまった。置いてかれたら絶対泣く！
「ご主人様、私から離れなければ、どこにもとばされませんので、ご安心ください」
(わかってるけど！)
「カゲ、悪戯しちゃダメよ。彼は私のご主人様なんだから。そんな事言っちゃいけませんよ」
なにと話してるの？どこに居るの？上も下も、目の前のAちゃんさえ見えない真っ暗闇は、僕等しかいないはずなのに。もしかして、使い魔？
わずかに聞こえる足音と、Aちゃんの声と、僕等の息遣い。手を放しちゃったら、永遠に置いていかれそうな真っ暗闇を、Aちゃんはまっすぐ歩いている。
「ご主人様、あちらの明るい場所が、自室の入口でございます」
(あぁいうふうになってるんだ……)
「ご主人様、お部屋に全身が入るまで、手を離さないでくださいませ」
最後の最後で気を抜いちゃダメなんだね。わかったよ。
「足元、お気をつけくださいませ」
数分ぶりの自分の部屋。窓際の定位置にいるチーが驚いて尻尾を膨らませていた。驚かせちゃってゴメンねぇ。
「チーさま、失礼しております」
「にゃん」
うちらだと解って毛繕いしてる。あ、手、離さなくちゃ。思ったより強く握っちゃってたし、細い腕だなってドキドキしちゃった。女の子なんだって。メイド服着てるし、女の子ってわかってるのに。あの応戦してた凛々しい姿を見ちゃってるから、もっとドキドキしちゃう。これがギャップってやつ？
「ご主人様、何か伝えたい事があったのでは？」
「！、！！」
待ってて！
部屋のいろんなところに置いてる筆記具を掴んで、殴り書きしてしまいそうになって、ピタリと止まってしまった。あれ、何を書けば良いんだ？
話したいって思ったのに、言葉にしろって言われると、何から書けば良いんだろう？
「ご主人様、ゆっくりで大丈夫ですよ。私はいくらでもお待ちしておりますので」
待っててくれるの？ただでさえ時間かかっちゃうのに？僕に時間を使ってくれるの？
「私に伝えたい事があるのでしょう。些細な事でも、私は待ち続けますので」
あぁもう、そんなずるい。独り占めしたいのに、我が儘を叶えてくれるなんて。
[ゆっくり、おはなし聞いてくれる？]
もちろんです。って頷いてくれたから、もうこれは、ね。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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