第９３話 その幹部、焦る。 ページ46
廊下をぶらぶら歩いてたら、Aちゃんが居た。あの襲撃の時以来に見たから、凄く久し振りな気がする。声かけてみようかな、驚かしたらダメかな？なんて躊躇ってたら、後ろから何かが通り過ぎていった。
「グリューンさま、如何なさいましたか」
シャークんの使い魔、グリューンはAちゃんがお気に入り。契約した人以外に懐くなんてレアな事すぎて幹部全員が驚いてたな。チーもなんだかんだお腹見せてた気がするけど。
「シャークん様に何かありましたか？わ、こら、そんなに近くを泳がれますと、歩きにくいですよ」
おぉ……本当に懐いてる。顔寄せられても怖がってないし、こら、なんて叱ってる。いいな、叱られたい訳じゃないけど、独り占めできるのは羨ましい。シャークんとスマイルは毎日食事を運ばせてそれ以外の仕事も頼んで、羨ましい。
「あら、Broooock様、ご機嫌麗しく」
「！」
気付いてくれた！どうしよう、ポケットに何か書くもの入れてたはず！
上着のポケットも、ズボンのポケットも、どこにも筆記具は入っていなかった。いつも入れてるはずなのに！
(ない！どうしよう、なにも話せない！)
「ご主人様、如何なさいましたか」
やだ、せっかくお話できると思ったのに。独り占めできるかもしれないのに、なにも話せない。どうしよう、行っちゃう！待って、待っててよ！
「ご主人様、落ち着いてくださいませ。何か、伝えたい事があるのでしょうか」
「！」
「グリューンさま、申し訳ございませんが、Broooock様の要件が終わり次第に伺いますので、しばらくお待ちいただけますか」
シャークんに呼び出されているのより、僕を優先してくれた？なにも言ってないのに？
「ご主人様、お部屋に移動なさいますか。生憎私も筆記具を持ち合わせておりませんので」
(良いの？)
首を傾げることしかできない。どうしよう、今すごい情けない顔してるから、あんまり歩きたくないな。あの時みたいに陰の中を通ってくれないかな。
「ご主人様の自室であれば、陰の中を通って行けます。そちらでもよろしいですか」
「！！」
すごい、以心伝心？だ。
「それではご主人様、私の影を両足で踏んでいただけますか。その際、メイド服のどこかを摘まんでいただけると、ランダムにとばされませんので」
触れて良いの？
おそるおそる近付いて、メイド服の袖を摘まむ。近い、近いよ！！
第９４話 その幹部、ドキドキ。→←第９２話 その幹部、探る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 333人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
