第８９話 そのメイド、運ぶ。 ページ42
スマイル様の後ろをついて資料室に向かう。国のあらゆる整地や地区ごとの建築による外観の区別、地図の更新などを請け負っていると話してくださった。
「植物を育てるにも、土によって向いてないヤツがある。それ次第で自然は変わる」
「植物が育たない土がある、という事でしょうか」
「んー。土にも種類があって、含まれてる栄養分が違うんだ。んで植物にも吸収できる栄養や強さがある。そういう理屈を勉強して、自然と人間を共存させるんだ」
「勉強になります」
渡される資料を受け取って、積み上げていく。カゲに手伝って貰っているから、見た目程重たくは無い。それなのにスマイル様は露骨に驚いていた。
「いや、何処か机に置いてこいよ。びっくりした」
「驚かせてしまいましたでしょうか？」
「仮にも、女の子が重たい物を無理して持つな。メイドだからって関係ない」
「かしこまりました」
平気だから持っているのだけど……リーラさまも一度だけ「わふ」と鳴いていた。どういう意味かしら？
一通り見繕い終えたらしく、片手に持った紙切れと背表紙を照らし合わせてらっしゃる。最後に積んだ背表紙を確認し終えて、よしと呟いていた。
「ん。おっけー」
「かしこまりました。このまま執務室に戻られますか」
「うん。陰の中、通ってける？」
いつもより声が弾んでいる気がする。向かう前にできないと伝えた事もあって、楽しみだったのかしら。
「カゲが資料室の陰を覚えましたので。ご主人様、先程お伝えいたしましたが、カゲの中で私の影文字は見えなくなります。よろしいでしょうか」
「わかってる。誘導は任せる。リーラも行けるんだろ」
「はい。それではご主人様、私の影を両足で踏んでいただけますか。リーラさまは前の足だけで大丈夫かと」
目の前に立って、首を傾げているスマイル様に、大丈夫ですと伝える。メイド服のどこかを掴んで、到着するまで離さないでと伝えると、制約かと尋ねられた。
「私も把握しきれない城内外のどこかに到着いたします」
「ふぅん。もしかして兵士を瞬殺したあれ？」
「はい。影を私の影と重ねて、同化させない限りはランダムにとびます」
それでは、戻りましょうと踵を鳴らす。影が広がって、揃って飲み込まれた。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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