第８８話 その幹部、ようやく。 ページ41
また、あの黒い目が見開いた。案外わかりやすいのかもしれない。顔はほとんど隠れてるけど、目は口以上にってやつで。俺以外気付いてたりすんのかな。ちょっとだけ優越感に浸ってしまう。
「ご主人様も、私の名前が気になるのですか」
「たぶん、俺だけ知らないんじゃねぇのかなって」
「きんとき様以外は、おそらく」
あいつは意地でも呼ばないだろな。毎日顔合わせてるのに、俺が最後に知ったと思うと少し腹立つけど、教えて貰えるんなら帳消しだな。これから呼びやすくなる。
「A・ネロ・ヘンティルと申します。無所属の新人メイドでございます」
「A・ネロ……ヘンティル。あいつ等はAって呼んでるの」
「はい」
じゃあ、俺もそう呼ぼう。今まで「レティの娘」とか「影魔法のやつ」としか呼べなかったから、良いな。
「A」
「はい。如何なさいましたか」
悪くないな。うん。ちゃんと名前で呼ぶ方が、専属って感じがする。このまま専属になってくんねぇかな。メチャクチャありがたいんだけど。
「資料室に行くんだけど、着いてきて」
「かしこまりました。資料はお部屋に運ばれますか」
「うん。あ、俺も陰通って行ってみたい」
「資料室にはまだ、私が入った事がございませんので……帰り道でも、よろしいでしょうか」
あ、縛りがある感じか。仕方ない。聞いたら「自分の影が重なった場所しか行けない」との話。“パズルのピース”が幾何学的に組み合ったら、道ができるのか。
「ご主人様、移動で陰を通りますと、私の影文字が見えなくなりますので、その間はご説明ができなくなりますが、よろしいでしょうか」
「陰に影が隠れる感じ？了解」
自然現象だって思えば、案外理解できるもんだ。リーラも引き連れて、資料室に向かう。少し後ろをついて来るAは、本当に影みたいだ。
第８９話 そのメイド、運ぶ。→←第８７話 その幹部、勘繰る。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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