第８５話 その幹部、知る。 ページ38
夕方にAさんに夕飯を持ってきてもらうはずだった。何故かカロンが入ってきて、今日はもう彼女はお休みだって伝えられた。
「だから、代理で？」
「はい。Aさんが休む原因は、一部私にもございますので」
「？どういうこと」
言い難そうに口を歪ませるカロン。誰かに聞くにしても、誰が知ってるのか分からない。
「きりやん様を庇って、スパイに応戦しました。怪我は無かったものの魔力消費が激しく、Nakamu様とBroooock様、きんとき様に説得され、現在自室にして安静中でございます」
「スパイ？！え、本当に怪我は無かったんだよな？」
「Aさんの魔法で銃弾も破損したものも何も当たらなかったと聞いたので。ですが距離と範囲を考えると」
無意識にきんとき様を影で拘束するくらいには、と追加で言われて、想像もつかなかった。影で拘束する？俺にやった影を纏わせるアレか？きりやんは案の定、俺とNakamuが体験した陰の中を移動する魔法の、ランダムにとばされる方だったらしい。きんときの執務室の机の陰に繋がって、きんときがNakamuとBroooockを連れて医務室に突入したと。
「まさか、医務室を狙うなんて」
「きりやんが基本的に医務室に居るってのを知ってたんだろうな。んで、カロンが居ない時間も知ってたけど、Aさんが居るのは誤算だったと」
珍しい陰影を操る魔法が使えて、専属メイドが代理を任せるくらい有能で、メイド長補佐までやってても、彼女はただのメイドで、本来なら応戦する立場じゃない。使用人として幹部を守らなきゃって無意識に思ったのかもしれないけど、普通は連れて逃げるとかじゃないの。
「明日の業務は、彼女の体調とメンタルの具合を見てメイド長が決めるとの事です。私やロル、場合によっては使用人が伺うかと思います」
「それは、わかった。Aさんに無理しないでって伝えといて」
グリューンにも伝えとかないと。今日はもう来ないって。カロンは未だに複雑そうな表情をしている。自分が休憩時間中の代理をお願いしたから、自分を責めてるんじゃないか。
「Aさんは、使用人としてきりやんを守ったんだと思う。無事だったんだろ？二人とも」
「仮に、きりやん様を庇って怪我をしたと思うと……私の可愛い後輩を傷物にしたと当分は恨みます」
どっちを？！
第８６話 その幹部、もどかしい。→←第８４話 そのメイド、説得される。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 333人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
