第５１話 そのメイド、誘導される。 ページ4
退室してから次の仕事を貰うまでは、どうしようか。スマイル様の昼食も、シャークん様の昼食も運び終えて、次に呼ばれるのは夕飯の時。ティミスさまに普段は手が届かない場所の掃除でも提案してみようか。私のカゲなら身体を固定して高い所にも行けるから、天井近い窓まで拭く事もできる。
「あら、あれは……確か」
グリューンさまやリーラさまよりは小柄だけども、一番もふもふな毛並みの猫さんはBroooock様の使い魔さん、チーさまが廊下の向こうからいらっしゃる。使い魔さんが自由に建物内を行き来できるのは、使い魔自体が珍しいからかしら。ぽふんと私の前に座り、にゃんと鳴いた。
「ご機嫌よう。チーさま」
「にゃぅん」
来て、と言うようにエプロンの端を噛み、引っ張る。もしかしてBroooock様に何かあった？だとしたらもっと急ぐだろうし。
チーさまに合わせて小走りに廊下を進み、辿り着いたのは矢張りBroooock様のお部屋。執務室ではなく、個人のお部屋ということは？
「Broooock様？あの、ご主人様？」
「にゃ〜っ」
閉じた扉をノックして開ける。チーさまは助走なしに椅子、机と跳び乗り、ベッドサイドに降りてまた鳴いた。
「ご主人様？」
机から落ちたいくつもの書類、目の下の隈、投げ出された腕と大きな……なんだろうこれは……クッション？枕かしら。
「チーさま、起こして欲しいのですか？」
「みゃ」
肯定するように鳴いて、手を舐めて顔にこすりつけている。一仕事終えてホッとしてるの？なんだかお顔を洗ってるみたい。
「じゃなかった、ご主人様。起きてくださいませ」
肩に手を掛けて揺すってみる。お庭のベンチでも寝ているくらいだから、睡眠不足の可能性もある……きりやん様に聞いてみるべきか。
「……？」
「おはようございます。チーさまに呼ばれ、起こしに参りました」
「──？」
ゆっくりと焦点が合った目が、私を捉えてから、チーさまに向けられる。
「もうすこしだけ、レティ」と動いた口元には、依然と同じように肌の色とは合わない鱗の模様が、首にまで広がっていた。
私をマムと勘違いしているみたいだけども、何も言わずにベッドの傍に。一言断って腰かけた。
第５２話 その幹部、寝惚ける。 ※一部修正→←第５０話 そのメイド、弁明する。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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