第７７話 その幹部、体験する。 ページ30
始めにクローゼットが消えた。次は机と椅子、ベッド、本棚、ベッドサイドのチェスト。それからランプ。面白いくらいに消えていく。職人達は終始驚いていたから、やっぱり影を自分の意志で使える魔法って珍しいんだな。
「それでは、失礼いたします」
職人達に一礼して、自分の影に飲み込ませて消えたから、慌てて追いかける。しゃけの部屋に居る事は解ってるから。
「陛下、如何なさいましたか」
「終わってるぅぅ……」
空っぽだった本棚は埋まっていて、ベッドメイクも済んで、カーテンもかかっている。クローゼットもこの調子だと完璧に埋めてある。
「ね゛ぇ！俺も体験したい！！」
「と、申されましても。きんとき様に釘を刺されておりますので」
「俺等から言う分は良いの！！きんときもしゃけもスマイルもBroooockも！はっ、もしかしてきりやんも！？」
「きりやん様には、お見せした事はございません」
「じゃあ俺も見たい！！体験したい！！」
我が儘なのはわかってる。でも、知りたいんだ。一度断られただけじゃ、釘刺されただけじゃ折れない。そんなんで折れたら王として弱い。
「かしこまりました。何を体験したいですか」
「やった！まず陰の中に入ってみたい！それから俺の自室まで行ってしゃけを驚かす！きんときとスマイルとBroooockは何を体験したの？」
「追ってご説明いたします。まずは陰の中に入りたいのですね」
では、私の影を両足で確実に踏んでくださいと言われ、足を揃えて向き合う形で踏む。いきますよ、と言われた刹那、足元が浮く。
声を上げる間もなく一面真っ暗な世界に変わった。どの方向を見ても塗り潰したみたいに真っ暗。しゃけの言っていた感覚的に夜っていうのも頷ける。
「陛下、申し訳ないのですが、私の袖を摘まんでいただけますか」
「こう？」
「はい。それでは陛下のお部屋の、ソファの陰に繋がりますので」
離れるとランダムに飛ばされるらしい。そのランダムが敷地外も含まれていると聞いた時はメイド服の袖を強めに掴んでしまった。
第７８話 その幹部、傍観。→←第７６話 そのメイド、もうひと踏ん張り。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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