第６９話 その幹部、共感する。 ページ22
いつもみたいにお辞儀して、同じように陰からしゃけの部屋に向かったAさん。相変わらず無表情だったな。
「さて、随分と仲が良いみたいだね」
「は？いきなりどうした？」
あからさまにキョトンとしてるから、自覚無いのかよって内心つっこんでしまう。そういえばこういうヤツだったな。あくまで悟られないように、雑談みたいな感じで進めたい。
「ん？しゃけがお気に入り作るなんて珍しいなって」
「お気に入りっていうか……良き理解者？安心するっていうか、同じ感性というか……」
「んん？」
「だって俺も含め、お前等“レティの娘”としか見てなかっただろ」
任命する上で要因に入っていた“前メイド長、レティの娘”というワード。それはAさんを通してレティを重ねていただけと言わんばかりの、まぁまぁダメージのくる言葉。
「俺もだけど、代名詞でしか見てくれないって、かなりキツイぞ。Nakamu、心当たりあるだろ」
「うん。うん……そうだ、そうだった」
無意識の比較。憧れが時々嫉妬に変わる言葉。両親を恨みたくないけど、前国王陛下は、なんて言われ続けて嫌になって全員解雇して僻地にとばした古く苦い記憶が蘇ってくる。
「それに、Aさんは仕事に対して真面目だし、丁度良い距離で、煩くないし、香水の匂いも無いからさ」
「わかる。だから重ねちゃうって言うのはダメだけど、完璧なんだよね」
自然体で居られる相手は、仲間と専属の前くらいしかなかった。だから、近くに置いておきたくなった。
「自室の清掃なんて、大胆な事言ったね？しゃけ」
「疚しい事は無いんだけど。Aさんのサポートのお蔭である程度は加減できるようになったし」
「え、マジで！？」
ほら、とお皿からクッキーを一つ摘まみ上げる。震えているけど、そのクッキーが砕け散る事は無かった。
「大変だったよ。最初はパンに穴開けないように指一本から触れるところから始めてさ」
計り知れない手の力に怯えて部屋に籠ったしゃけが、そんな風に特訓して、ここまで制御できるなんて。Aさんのサポートが無かったら、今もこうして会うなんてできなかったのか。
「これは特別賞与案件だわ」
「だな」
第７０話 そのメイド、清掃開始。→←第６８話 その幹部、歩く。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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