第６３話 その幹部、不機嫌。 ページ16
幹部専属メイドに命じて断られたのが昨日。そんで提出された希望者の書類について聞くために使用人棟に向かっている。
「なんでアンタが専属になれるのよ！」
「アンタより仕事ができるし、美人だし！先輩なのよ！？」
「身体売ったんでしょ？！何とか言いなさいよ！！」
「推薦で入ったからって調子乗ってるでしょ？！」
うるせぇーー！！全部理解したわ！！仕事しろよ！！
もうさっさと終わらせたい。必然的に速足になってしまう。まだあの変人の声は聞こえない。
「専属の件はお断りしております。前メイド長の娘というだけで専属に選ばれるのは、希望者の方に示しがつきませんので」
「だったら、なんで！」
やっぱり。紅茶の一式をカートに纏めたあの変人が、数人のメイドに囲まれていた。これじゃあ廊下は塞がってるし煩いし、醜い嫉妬に香水と甲高い声でグラグラする。さっさと退散したい空間だ。
「ご主人様、ご機嫌麗しく」
「ぜんっぜんご機嫌麗しくないけどね。スマイルに紅茶持ってくんでしょ、さっさと行きなよ」
「はい、失礼いたします」
まさかの壁にできた柱の陰にカート押して消えてったよ……。マジでなんでもありじゃん。
「さて、お前等は一体何してんの？仕事は？」
「ひっ、あ、きんとき様！ご機嫌」
「言ったよね。ご機嫌麗しくないって。めちゃくちゃ不機嫌なの、おーけー？」
メイド長に用事があるのに、もう帰りたい。だからメイドは嫌いなんだ。上辺だけの敬意で、下心を隠さないで。だからNakamuはあの変人を推薦した？
「きんとき様、如何なさいましたか」
「ティミス〜。こいつらどーなってんの？仕事できないヤツ置いておく程俺等は慈悲深くないよ」
騒ぎを聞きつけてかティミスが出て来る。ばつの悪い顔で散っていくメイドに舌打ちしてしまう。あんな奴等から専属を選べ？絶対やだ。
「さっきのが希望者？全員不合格。Nakamuの妥協案でも正直俺は嫌だけど」
「Aさんでしょう。良い部下ですよ」
「本人はなるつもりないって言うし。でもあいつ等は気に入ってるから、幹部の命令はあいつ優先で。んじゃ」
かしこまりましたとお辞儀するティミスに手を振って来た道を戻る。あの変人は紅茶淹れ終えてるかな。俺の所も呼んだら来るかな。
第６４話 そのメイド、別件開始。→←第６２話 その幹部、同感する。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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