第５８話 その幹部、留められる。 ページ11
「じゃあ、弱点は？やっぱり日光？」
「陰影が出ない場所では、おそらく」
陰影が無い、曖昧な言い方だった。どの方向からも光源に当たるか、はたまた暗闇を指すのか。
「試した事ないって感じ？」
「はい。夜は、眠っておりますので」
「試したことないって言ってるようなもんじゃん」
「母に、睡眠不足は良い仕事の妨げと習いましたので」
レティが言うなら仕方ないか。レティらしいっちゃらしい。
「ん……じゃあ、他になにかやったことはある？」
「簡単な読心術ならございます。影は本人の分身に近く、長文でなければ」
「読み取りに限界が？」
「おおまかな喜怒哀楽、でしょうか。それ以上は、読み取れた事はございません」
ここまで来るとなんでもありすぎる。こんな万能魔法とも呼べるのに、この変人は誇示するでもなく、見せつけるでもなく、命令のままに扱うだけ。
「じゃあ」
不意に立ち上がり、近付く。視線が少し上を向いて、真っ黒な目が俺を捉える。
「？！」
それより先は、声さえ出なかった。上げた手から俺の顔半分、後退ることさえできないから多分脚も、こいつに拘束されている。呼吸はできるし、指先は動く。それでも固められたように動けない。
「失礼いたしました。私のカゲは、私の意思に関係なく動く時がございますので」
手がギリギリ届かない位置に移動したメイドが命じたのか拘束が解かれる。なんだったんだ、魔法を使う気配も、合図も、一切なかったのに！
「おそらく、ご主人様が、私の顔の包帯を外すと思ったのでしょう。私に危害を与えないよう、この子達は四六時中、私の意思に関係なく動くので」
この子、達？
やっと息が吐き出せた気がする。このメイドが入って来た時から、違和感はあったんだ。誰かに見られているような。それも複数。
やっとわかった。メイドの足元の影から出てきた、三体の黒い生き物。それぞれに異なる生き物の形を持っていて、守るように居る。
「使い魔もいるのかよ……！」
「はい。カゲ、戻って良いですよ」
そういえばかなり前に、カゲがどうのって言っていた気がする。それがコレか。
ますます、厄介な存在だ。
第５９話 その幹部、口伝する。→←第５７話 その幹部、説明求む。
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紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - にゃーちゃんさん» 初コメありがとうございます！夢主ネロちゃんが刺さってくださって嬉しいです！もうすぐ続編に進みますが、完結までお付き合いくださいませ〜〜！ (11月30日 14時) (
レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めためたに好き過ぎました…!!面白過ぎて、一気読みしてしまうくらいに好きです！夢主ちゃんがどストライク過ぎた…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月29日 22時) (レス) @page44 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢さん» ええええっ？！この場をお借りして､読んで頂いてありがとうございます…！これからも更新お待ちしてます…！ (9月28日 23時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
紅鴇ﾍﾞﾆﾄｷ@端末垢 - Rayさん» コメントありがとうございます！ひょぇ、まさかの拝読してる作品の作者様がコメントくださるとは……!!!!有能だけどマイペースなネロちゃんをよろしくお願いします！ (9月28日 21時) (レス) id: 15e99861f0 (このIDを非表示/違反報告)
Ray(プロフ) - 有能メイドが好きなので何度も読み返してます。更新頑張って下さい…！ (9月28日 1時) (レス) id: d88e598144 (このIDを非表示/違反報告)
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