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月下のワルツを君と_4 ページ8

「え、だって、パーティ」
「抜けてきたよ。シンデレラが帰ったよって、聞いたから」

驚きから脱せば、――シンデレラ、そんな言葉に慌てて首を振る。

「違うよ、そんなんじゃ」
「何が違うの?」
「シンデレラ、とか、全然違うから」

そんな、きらめく呼び方はふさわしくなんてない。あの場にいることすらできなかったわたしは、全然違うよ。
いつもはさらりと流せる恥ずかしいほど甘いその呼び方も、今日ばかりは否定することしかできなかった。
そんなわたしに驚いたような顔をして、すぐにくすりと優しく笑みを浮かべた。

「Aはいつだって、俺にとってはシンデレラだよ」
「……っ」

やめてよ。
そんな甘い言葉で、優しい顔で、わたしを惑わせないで。
北門くんの台詞が胸に入り込み、甘美などきどきが生まれる。
いつだって君はこうやって、無自覚にわたしを虜にしてしまうんだ。
弱々しく首を振ることしかできないわたしの手を、そっと、北門くんの大きな手が包んだ。

「ねえ、A。俺が今日一番欲しかったものは何か、知ってる?」
「…え?」
「悲しいことに、まだもらえてはいないんだ。何だと思う?」

じっと見つめてくる北門くんから視線をずらして、「…わからないよ」と応える。

「こんなに大きなパーティなのに、もらえないような物なんだね」
「うん。もう少しで、帰っちゃうところだったからね」

その言葉を理解するのには、少しだけ時間がかかった。
どういう意味かと問いかけるために視線を北門くんに戻せば、変わらない穏やかな笑顔が迎えてくれた。

「竜持に言われなきゃ、気付かなかったかもしれない。貸しにしとくよ、だってさ。竜持らしいよね」

どくん、と心臓が強く脈打った。
それを知ってか知らずか、北門くんの距離は更に近づいて、

「ね、A」

ぎゅうと、あっけなく体を包み込まれる。鼻をくすぐる香水の匂いが脳まで満たしてしまったかと思うほど、全身が甘い感覚で一杯になった。

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設定タグ:B-project , 夢小説 , 短編集   
作品ジャンル:アニメ
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まほし(プロフ) - 彩乃さん» お返事おそくなりました(汗 イラストいただき、ありがとうございました!!おはなしも気に入っていただけてよかったです〜。良ければこちらこそ、またお願いします^^楽しみにしています! (2017年4月2日 17時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃 - ふぁぁぁぁイラスト使ってくれてありがとうございます!!ヤバいです素敵です全然大丈夫です!!!!!!!!普通に嬉しいです。ありがとうございます〜!!私が想像してた通りというか、想像以上だったので嬉しいです…!!ありがとうございました…!!良ければまた描きたいです!! (2017年3月31日 17時) (レス) id: 6d74871b62 (このIDを非表示/違反報告)
まほし(プロフ) - B−PRO大好きおじさん(笑)さん» 最初からずっと…!ありがとうございます!!これからもよろしくお願いいたします。そして北門さんお誕生日おめでとうございますっ!! (2017年3月29日 22時) (レス) id: 98138b6672 (このIDを非表示/違反報告)
B−PRO大好きおじさん(笑) - みじかいゆめを最初からずっと見てます!!!倫くん誕生日おめでとう!! (2017年3月29日 15時) (レス) id: 69007943fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほし | 作成日時:2017年3月26日 10時

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