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京本大我くんといえば。
真っ先に浮かぶ印象はクールであまり喋らない、だと思う。
これは私だけが持ってるイメージというよりは、学年、いや学校共通の認識。
何でそこまで規模が大きいかっていうと、京本くんは学校中の人気の的である男子6人組のうちの1人だから。
「 はぁ…最悪 」
「 ごめんね 」
「 違う、花村さんは悪くなくて…でも何でよりによってこういう所… 」
基本的に6人で行動を共にしていて騒いでる所もよく目にするけど、その中に居る京本くんが話してるのを見たことはほとんどない。
去年同じクラスだった時も、話しかけられたら答えるって感じだったし、表情もあんまり変わらないし。
だから、こんなしっかり会話出来ることも、花占いみたいな可愛いことしてるのも、恥ずかしそうに耳を赤く染めているのも、
私にとっては全部、驚きでしかなくて。
「 ねぇ 」
「 あ、うん 」
「 …そこ突っ立ってないで、こっちおいでよ。話しにくい 」
「 え 」
そう言って京本くんは、ほら早く、と手招きをする。
良いの？私みたいなのが、そんな近づいちゃって。大丈夫？
誰か同じ学校の人に見られたら死ぬなぁと思いつつも、嫌がるのも失礼なので大人しく河川敷に足を踏み入れた。
「 ここ座って 」
再び腰を下ろした京本くんが、自身の隣の位置をぽんぽんと叩く。
それにもかなり戸惑ったけど、少しだけ距離を置いてゆっくりと隣に座った。
「 今更だけど、めっちゃ久しぶり 」
「 …京本くん、私のこと覚えてるんだね 」
「 どういう意味？去年同じクラスだし隣の席だった事もあったじゃん 」
「 いや、あんまりちゃんと話した記憶無いから忘れられてるかなって 」
「 …あー 」
そう、確かに私達は隣の席だった時期があった。
でも、その時はほんと、必要最低限の会話しか交わさなかったんだよな。
京本くんは誰に対してもそんな感じだったから、それについてどうこう思ったことは無かったけど。
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作者名：朔×紺
x他1人 | 作成日時：2021年9月18日 9時
