第33話 byベレッタ ページ33
何日かかけて何十枚ものクロスワードパズルを解き終わり、昼の間へ向かう。
そこには私と同じなのであろう、無実の罪人達が集まっていた。
「おお〜人が沢山いる〜・・・・・・」
小中学生くらいに見える、最年少らしき女の子(私もよく年齢を間違えられるのでその類かもしれないが)、気の強そうな女の人、大人しそうな男の人、同年代と思しき数名の男女。
ちなみに、その中には私と同じアルビノらしき女の子もいた。もしかしたら仲良くなれるかもしれない。
ソファに寝そべったり、適当に昼の間をウロウロしたりとしばらく待っていると、1人の少年が現れた。格好良いというよりは、綺麗な顔立ちの人だった。
「昼の間にお集まりの罪人の皆さま方。僕がノートをここに置いた張本人、結城遥と申します」
彼──結城さんはそう言うと小さくお辞儀をした。なんだか面白そうな人だと思い、思わず零れた笑みを腕で隠す。
「本日ここに集まってもらったのは、とりあえず顔合わせをしていただくためです。えぇ。まだ作戦を話し合うような段階にはありません。怪しまれてしまうのでね」
なるほど、確かにある程度の面識をお互いに持っておく事は大事だ。
いざ脱獄する時に罪人同士だと分からずに争いが起きてしまっては困るだろう。
オマケに深刻な雰囲気を出してしまっては、ただでさえ罪人たちが集まっているという珍しい事態なのに、見張りに怪しまれてしまう。
「なるほど〜そうですね〜」
「で、ここからが本題なのですが、皆さんには毎日のように昼の間に来ていただきたいと思います。理由としては、昼の間には人が多く集まる、という状態を作ることによってそれが当たり前だと思わせたいのです」
ほう。
「そうすることによって夜の住人達が疑いを持ちにくくなるので計画がバレる確率が低下します。昼の間では自由にしてくださって構いません。話し合いは隙をぬって少しずつ行っていこうと思っています」
この人はかなり頭が切れる人のようだ。
「自由に・・・・・・か」
ぼそりと呟く。多分誰も気付いていないだろうけど、耳が良い人には聞こえてしまっただろうか。
まぁ聞こえても問題は無いのだけれど。ノープロブレム。
「それでは本日はここらで終了と言うことで。勝手で申し訳ないですが、お疲れ様でした」
見張りが戻るタイミングでお開きの号令がかけられた。
ああ、ワクワクするなぁ。
とても楽しみで、口角がつり上がった。
こんなに愉快なのはしばらくぶりだ。
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カルク(プロフ) - 更新しました!! (2019年7月17日 8時) (レス) id: 46db662a70 (このIDを非表示/違反報告)
カルク(プロフ) - 更新させていただきます! (2019年7月17日 7時) (レス) id: 46db662a70 (このIDを非表示/違反報告)
nekoarisu(プロフ) - 更新させていただきました! (2019年7月16日 21時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
nekoarisu(プロフ) - 更新させていただきます! (2019年7月16日 21時) (レス) id: 322193fd57 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - しました! (2019年7月16日 15時) (レス) id: 9ffca39a54 (このIDを非表示/違反報告)
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