09 ページ9
〇
ヘリを降りると、藤川先生がいた。
Aも来てくれたのか、と少し驚いた顔の藤川先生ににこりと笑いかける。
「白石と子供は民家の中だ。頼む」
「わかった」
「まかせて」
藍沢先生と民家へと向かう途中、緋山先生にも会った。来るの遅い！なんて言われてしまったけど、緋山先生の表情はすこし嬉しそうだった。
「レベル下がったの何分前だ？」
「５分前に１００から３００まで落ちた」
藍沢先生が少年の状態を確認する。
民家の中は、とにかくひどかった。少年は、壁に挟まれていて治療するにも大変な状況だ。
「脳ヘルニアを起こしてる」
「救出まで２０分。病院まで持つ？」
「無理だな。ここで穿頭する」
「わかった」
「名字、手伝ってくれ」
「うん、フォローする」
メスとドリルを準備して藍沢先生に手渡す。
「何してる？」
「え？」
「お前が一番重い患者に付きっきりでどうする」
「そうだよ白石先生。白石先生は、現場に戻らなきゃ」
「でも」
「現場は指揮官を求めてる。消防も救急も警察も目的は同じだ。一つでも多くの命を救うために仕事をしている。その方法を一番よく知っているのが医者だ。だから現場は医者の判断で動く。だが医者が大勢いた所で機能しない。引っ張っていく人間が必要なんだ」
処置をしながら藍沢先生が話す。
「白石、指揮官になれ。
お前は仲間の能力をよく知っているし、患者とその家族両方のことを考えて決断することもできる。ほかの組織の人間とも上手くやれる。治療ができる医者は他にもいる。緋山も藤川も名字も、それに、俺もいる。行け」
「行って？白石先生。こっちは大丈夫」
絶対助けるから。そう言って白石先生と場所を代わった。
〇
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 482人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか？ (2019年9月10日 10時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - この後の展開が少し気になるので更新頑張ってください！！！ (2017年9月12日 11時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はなこ | 作成日時：2017年9月4日 13時
