漆拾肆 “〃 (6)” ページ33
すっかり日も暮れ、辺りも暗くなった。
然し、都会とは離れた所に居るからか周囲の物をよく見れる程に沢山の星が煌めいていた。
旅行に来た者達は昼間遊んだ海の砂浜で夫々、酒や食料を片手に好きな様に過ごしている。
「星の見える夜の海で入水自 殺……まるで夜に抱かれているようじゃあないか。うん、悪くないかもしれないね」
ズボンの裾を捲って海へ入って行く太宰さんを最早誰も止めようとしていない事に頭が痛くなる。
……因みに制止役である作之助さんは咖喱を食べるのに夢中で気が付いていない。
『太宰さん、風邪引くので止めましょうね』
「ならば心中にしよう!心中なら人の体温によって寒くなくなるし私は死ねるし一石二鳥だよ!さぁ、A。私と一緒に心中しようか!」
『私は未だやり残した事がありますし、心中とは本来好いた女性とするものです……そうですね、先日御相手していた彼女となさっては?』
私の言葉に彼と周囲に居た者達が固まった。
若しかして私が知らないとでも思っていたのだろうか?(首領から任務の報告書をよく見せられては善い作戦案を聞かれる)
「待って、何でAが知ってるの。違うから、アレは任務だから、決して私の意思でしている訳じゃあないからね」
『では、ひと月前に一夜を共にした彼女はどうでしょうか?あぁ、三日前や二週間前の彼女達も喜んでお受けして頂けると思いますが』
「A、この咖喱食べないか?中々美味い」
『作之助さんがそこ迄云う咖喱ですか……気になりますね。では、お言葉に甘えて』
「織田作!?アレだけ食べていたのに未だ食べるのかい!?而もAも咖喱好きだったなんて初耳だよ!というか間接キスなんてしないよね!?ね!!?後、絶対教えたの森さんでしょ!ああああ、なんて事をしてくれたんだ!!ねぇ、ちょっと待って私を置いて二人の世界に入らないでくれ給えよ!?ねぇっt「太宰さん、五月蝿いですよ」理不尽ッッ!」
何か必死に訴えている太宰さんと、それを宥めている仁のやり取りを横目に、作之助さんがスプーンで掬った咖喱を目の前に差し出してきたのでパクッと食べた。
成程、あの洋食屋のモノよりかは少し甘めだが之は之で中々美味しい。
ゴロゴロと数種類の野菜が入っているのも新鮮で偶には善いものだ。
『確かに美味しいです。後で調理法聞いてみましょうかね……』
「作るなら今度一緒に作ろう。善い材料を揃えておく」
『ふふっ、楽しみですね』
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黒龍(プロフ) - Mさん» 嬉しいお言葉、有難う御座います^^ (2019年11月23日 17時) (レス) id: 9b97ad947e (このIDを非表示/違反報告)
M - とてもおもしろかったです。 (2019年11月23日 1時) (レス) id: 5a0fa58d7d (このIDを非表示/違反報告)
黒龍(プロフ) - りーこさん» 有難う御座います!頑張って続き書いていきますね (2019年6月24日 12時) (レス) id: 9b97ad947e (このIDを非表示/違反報告)
りーこ - 続きが楽しみです (2019年6月24日 6時) (レス) id: 140e75a81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒龍 | 作成日時:2019年6月21日 21時