Love Situation【ars短編集】 (ページ3)

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②(S×O) ページ3

こんなところ来なきゃ良かった。

そう思えたら良かったのだろうか。

和也「……眩しいな」

智「そうだねぇ」

ただ俺の心は穏やか過ぎて

自分でもすげえなって思う。

雅紀「翔ちゃ～～ん！綺麗だよ～～！」

和也「それ花嫁に言うやつだろ」

潤「翔さ～～ん！こっち向いて～～！」

和也「コンサートじゃねえから」

好きな人の結婚式で心が穏やかって

ナンダソレ、と。

自分で思う。

智「眩しいなぁ……」

こんなにも穏やかなのは

別にふたりを祝福しているからって訳じゃない。

ただ、泣けないから。

泣けないから微笑むしかないのだ。

和也「せっかく来たんだから食いなさいよ」

隣に座るニノがニコリともせずに手付かずの俺の皿を指差す。

智「んー。腹減ってねえ」

そう答えた俺はまた視線をステージにぼんやりと戻す。

ああ、白い衣装がよく似合ってる。

智「……眩しいなぁ……」

翔くん。

翔くん。

……翔くん。

ただただ眩しいそれに

俺は目を細める。

雅紀「翔ちゃ～～～ん！」

和也「なんでもう泣いてんだよ！」

潤「料理美味しいよ。食べなよ二人共」

智「うん」

チラリ。と見た先の壇上では

仲良さそうに会話をする主役の二人。

俺は脇役にしかなれなかった。

ただそれだけのことだったのに。