第6色 ニコラス・フラメル ページ12
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結論から言って、十月に抱いたアリルの心配は全て杞憂だった。
ハーマイオニーは知性を重んじるいい子だったし、呪われた子と噂されるアリルに対しても、平等に接してくれた。
さて、もうすぐクリスマス休暇である。
レイブンクローの談話室は少し寒くなってきていたが、暖炉のおかげで廊下ほど寒々しくはなかった。
アリルは躊躇なく休暇中に寮へ残る者のリストに名前を書いた。ミドルネームを書きたくなかったので、それだけ飛ばして。
「その飾りはそちらへ──ああ、もう少し右です」
マクゴナガル先生の声に返事をして、飾りをちょっと右にずらす。
大広間ではクリスマスの飾り付けがされていた。
フリットウィック先生とマクゴナガル先生を主導にして、たくさんのクリスマスツリーが輝いている。
アリルは手伝いを願い出て、これが頼まれた飾りの最後の一つだった。
「アリー？」
「あ、みんな」
ハグリッドが最後の樅の木を角に置いているとき、ロンがこちらを見つけてそう言った。
「手伝い？ お疲れ様」
うん、と相槌を打って膝を伸ばす。
休暇まであと一日。アリルにとっては、禁じられた森へ入れるまであと一日。
杖を使って姿を消したあと、森に入って『家族』と過ごす。完璧な作戦だ。
「そう言えば──ハリー、ロン、昼食まであと三十分あるから、図書館に行かなくちゃ」
ハーマイオニーがそう言ったので、アリルは珍しいなと思ってわずかに目を見開いた。
二人はハーマイオニーと違って、進んで図書館に行くタイプではないはずだ。ここ一ヶ月の間で、彼らと彼女の違いについてアリルはよく学んでいた。
「何をしに行くんだい？ ぼくもついていっていい？」
ほんの興味から、アリルはそう言った。
三人は顔を見合わせ、内緒話をする。そのままハグリッドと一緒に大広間を出ていくので、断りもなくそれについていくことにする。
「いいよ。アリル、でも内緒でね。実は……」
ハグリッドがむっと顔をしかめながら、一部始終を聞いていた。
三人はニコラス・フラメルという魔法使いについて調べているらしい。
禁じられた廊下で、三つ首の犬 ( フラッフィーという名前らしい ) が何かを守っていて、それをスネイプ先生が狙っているという。
「だから、ニコラス・フラメルを調べているの？」
「そうなんだ。アリルは何か知らない？」
うーん。
「ごめんね、知らないや」
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作成日時：2020年3月19日 16時
