60現目 ページ13
〜智side〜
「ひゃっ…お、おお、大野さんっ…！？」
寝惚けてるフリをして、櫻井を腕の中に
再び引き寄せる。
顔どころか、背中まであっつくなっていく
こいつの身体。
じたばたして、もがいてるけど
俺は逃げるのを許さない。と言うように
櫻井の後頭部に手を回してシャツに顔を
押し付けた。
「うぅ…大野さん、寝惚けてるんですか…？」
不服そうな戸惑いの声を漏らすこいつに
今すぐ吹き出しちまいそうな口角を
無理矢理引き締める。
すると
「あなたに、こんな事されたら俺…」
色を落とした切ない声で呟かれたその言葉に
何故か、ズキンと胸が重くなった。
耳を済ませて、続きの言葉を待ってると
……？
急に抵抗を辞め、大人しくなった気配。
そっと、目を開けて腕の中を覗いてみると
「んだよ…」
いつの間にか櫻井はあどけない赤子
みたいな顔で熟睡していた。
背中を上下させて、聞こえてくる規則的な寝息。
…黙ってれば、やっぱ可愛いのなこいつ。
サラサラの茶髪を梳くように弄る。
腕の中で無防備に、寝ている姿を見て
自然と笑みが零れた事に自分で少し滅入って
俺も目を閉じる。
が。
「は…な…れないで…」
突然、呟かれた一言に
目を開けて腕の中の寝顔を凝視する
そして
「はなれ…ないで…
さ…としく…」
櫻井の頬を
スーッと一筋の涙が流れて俺のシャツに滲んだ。
不意に、呟かれた…自分の名前
たかが、知れてる…人生で1番耳にする
名詞の筈なのに
心臓がバカみたいに、飛び跳ねた。
さっきまでとは違う。
こいつが…もうすぐどっか遠くに
消えていっちまいそうな声の雰囲気が
今までにない無い焦りと鼓動の速さを駆り立てる。
「っ…」
堪らなくなって、強く抱き込んだ華奢な身体｡
櫻井の指がキュッと俺のシャツの裾を掴んだ｡
離れたくねぇなら…
「絶対…俺の見える場所に居ろよ…
翔。」
この時、俺はまだ知らなかった。
櫻井が胸に抱えてる闇の深さを。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*☼*
PS.
大変申し訳ありません、1話抜けてたので
50現目に更新し直しました！！｡ﾟ(/□＼*)ﾟ｡
にのあいちゃんの掛け合いのシーンで
御座いますm(__)m
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& - 更新楽しみです (2019年1月4日 13時) (
レス) id: c4652a5ed4 (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - ゆーさん» ゆーさん、コメントの確認が遅くなってしまい大変申し訳ありません！泣 楽しみにして頂けてとても嬉しいです！！近々更新するのでこれからも宜しくお願いします＾＾ (2018年12月26日 20時) (レス) id: 9c00a2b6a7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - いつも楽しみにしてます (2018年12月26日 17時) (レス) id: 625128a66e (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - いつも楽しみにしてます (2018年12月13日 20時) (レス) id: c4b137a778 (このIDを非表示/違反報告)
シュガ−(プロフ) - 返事有難う御座います！お直しも加筆もしっかり確認済みです！笑何回読んでも飽きないのが不思議です。。！！これからの展開も楽しみにしています！！ (2018年11月10日 21時) (レス) id: fe924138d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅
| 作成日時：2018年5月19日 19時
