【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】 (ページ49)

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本来の目的【みさと】ページ49

この、嫌な色に染まりきった世界を、
私の白で１からやり直す。
それが、私の本来の目的。

「みんなに寄り添える絵師に」
そうなるには、この世界は醜い色に染まりすぎた。

私は、筆を握る。

世界を、白紙に戻すため。

「あれ～？そんなことしちゃっていいんですか？」
ナシロ・イロハはニコニコと笑いながら2階の窓から皆を見下ろしていた。
クロエお兄ちゃんと共に。

「どういうことかね！？？」
ナミノ師匠に攻撃をしていた政府の１人が声を荒げた。

「ここに、魂の色が黒色の人がいます。」
そう呟いた。
「僕、ナシロ・クロエ、よろしくねー」
クロエお兄ちゃんは相変わらずニコニコしている。

「あ、あれは、世界最強の魂の色の持ち主、クロエじゃないか！？」
「あの娘は、絵師であり、大人気モデルのイロハじゃないか！」
この世で最も珍しい色の私達二人を敵にまわすということを、やっと政府は理解したらしい。

「く、クロエとイロハは私達の仲間に入らないか？金だって沢山出そう。。！」
そういって、黒く笑う汚い人間を見下ろして、鼻で笑った。

汚いなあと、思う。
その、自分達の事しか考えていない穢れた魂も、
　
「国をめちゃくちゃにして、何が目的なの？」

透明な少女にそう、問いかけた。

「僕ね、考えたんだ。今までイロハの白を守ってきたけど、僕から解放してあげるよ。その白を染めるも、染めないも、イロハが決めるといいよ。」
クロエお兄ちゃんが前に私に言った言葉を思い出す。
この白を染めるも、染めないも私の自由。
この白を染める時、それは今しかないと思った。