【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】

真相と決意【かふぇ】 ページ43

ナミノさんの話を聞いて、ただ茫然としていた。

人を変える？

一族を変える？

村を、変える？

そんなことが、できるのだろうか・・・




「…出ていくか?こんな…人を殺す様な事をした師匠なんてっ…」

涙を溜めて、彼女は言う

その姿は、今まで見たどんな姿より、弱々しくて

壊れそうで。

背負っていたものは、余りにも大きすぎた

逃れられない、罪の意識

怒り

十字架を背負っていたのだ。




「！…赤のお姉ちゃん、どないしたん？」


「君がいたから、イロハは今前に進んでる。

君がいなかったら、今の彼女はない。

だから、そんなことを言わないで。」

アキさんの、燃えるような瞳には、恨みなんてなかった。





僕も、真っ直ぐにナミノさんを見る

「・・・出て行けるわけ、ないでしょう？」

そっと、抱きしめた



彼女が関わらなければ、極彩家はこうはならなかったのかもしれない

アキさんは、傷つかなかったのかもしれない

僕の人生は、違ったかもしれない

でも、恨みなんて湧いてこなかった

たくさん、たくさん救われたから

だから、ほっとけるわけがないんだ。

覚悟したから

拒絶されたって、助けるって。




透明の髪

ナミノさんも、僕と同じ

どうしようもないしがらみに、囚われていたんだろう





「今からでも、変えられませんか？極彩家を。世界を」

腕のなかの彼女は、静かに涙を流す

疑問系じゃ駄目だ

「変えましょう。全部。優しい世界に、戻しましょう？」

政府への【蓮@雫3318】→←帰国【みさと】

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