【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】

行こう。【天秋】 ページ41

「ワイが居なかったら、皆幸せやったのになぁ」



ナミノの声が聞こえる。



手当てしていた手を止めて、少し考えたあと、手当てを打ち切って荷物をまとめる。




「痛っ…まあ、何とかなるか…」




よろける足で、壁づたいにゆっくりと声のする方へ向かう。





「ナミノ…」




「！…赤のお姉ちゃん、どないしたん？」





「君がいたから、イロハは今前に進んでる。



君がいなかったら、今の彼女はない。



だから、そんなことを言わないで。」






それだけ言い残して、扉を開ける。






向かうはフランス。






イロハが頑張ってくれてるんだ。





お礼くらい、言わないと気が済まない。





「さて、行こうか。

ライラ。」





空に描くは深紅の鳥。



それに飛び乗って、フランスを目指した。







ーーーーーーーーーーーーーー


飛び続けて一週間。




だいぶ体力を使ったが、何とかフランスに辿り着いたみたいだ。





「はぁっ…はぁ…」



体が熱い。頭が痛い。




熱でも出るかな…？








それを振り切って、杖を頼りに道を進む。






しばらく歩いていると、ざわめきと白い魂の色が見えた。






この気配は…






「イロ…ハ…？」















そこで体の限界が来て




















視界の端から暗くなっていった。

帰国【みさと】→←過去の真相【蓮@雫3318】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す