【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】

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私は、急ぎ足で絵師の試験会場へ向かった。
みんな、私より年上ばかりで、「どうしてあんな小さい子が…」というヒソヒソ声が聞こえてくる。

制限時間は8時間。
思い思いの絵で人の心を動かす絵を描かなければならない。

必死に筆を振るった。
踏んばって、沢山沢山描いた。
合格しなきゃ、神絵師になりたいから。

私の白でどのこまでやれるか───

やっとの思いで描いたのは、
大きな白い白鳥が空を羽ばたく絵だった。
回りには白で描いた星空。
白鳥に絡みつく薔薇が繊細でなかなかうまく描けた。

暫くの間、審査員も絵師試験を受けてた人も、
ぽかんとした顔でずっと見つめていた。

絵の具の出しすぎの後遺症が見られない。
慣れてきたのかも知れない。
出しすぎない量を──。。

合格通知が来たのは、
一週間後、
緑色のベレー帽が届いた。
この制服も、着る必要はもう、ないらしい。
「イロハなら合格してると思ってたよ」
そう言って、クロエお兄ちゃんはニコニコ笑っていた。

リボンの色も、元に戻っていた。
あの、煮えたくるような感情の荒ぶりも、
もう自分の中には無かった。
解放されたんだ。


フランスでのあと一週間、
なにをしようか。

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