過去は塗り替えられない【蓮@雫3318】 ページ4
「…それにしても、今更現れて何を主張したいん?」
紅茶を啜り、カチャリと皿の上にカップを置く。
前を見据えて、微笑んだ。
「なんや、遂に話すことさえ無くなったんか?」
ーーーーーーーーーーー…
「残念ながら、黒のあんちゃんではないんよ。」
頭に衝撃が走り、生暖かさが頭、頬を伝う。
「…なぁ、質問や」
赤のお姉ちゃんのそばにしゃがみ、頭に手を優しく置く。
「赤は、忌み子の証なんか?」
赤のお姉ちゃんが、此方を不思議そうに見上げる。
「…別の世界では、蒼白のオッドアイの少女は全ての因果を受け止めて死んだ。」
淡々と語る。
「別の世界では、永遠に治らない病を患った少女も居る。」
それは、普通を奪われた人間の物語。
「別の世界では、親友が自分を忘れてしまい、過去を永遠に見続ける決意をした少女も居る。」
その決意を
「家族を殺されて、怒りに狂った囚人も居る。」
その必死を
「…他にも、国を救ったのに火炙りにされた魔女も、蛇に噛まれて死んだ絶世の美女、理不尽に潰されながらも日記を書き続けた少女さえ居る。」
その美しさを…
「全員、魂の色は赤やった。いや、もしかしたら違うかもしれへん。けどな、」
全員、魂に赤い炎を宿していたんや。
「過去は塗り替えられない。自分達は、塗り替える力も、人の魂を否定しても良いような落とし前、付けたんか?」
否定させてたまるか。
「行くで。赤のお姉ちゃん」
赤のお姉ちゃんに手を貸して、立ち上がらせる。
「もし文句があるなら、ワイにどうぞ」
終始笑顔であった嵐のサプライズは、これにて終了した。
ーーーーーーーーー…
「いやー…けったいな傷付けられたなぁ」
赤のお姉ちゃんの体にペタペタと絆創膏等の医療を施してゆく。
赤のお姉ちゃんは俯いて、服をきつく握っていた。
「……お疲れさんでした」
ぐい、と頭を掴んで肩に寄せる。
「泣いてええよ。誰も見とらん」
直後、肩は温かな水で濡れていった。
赤のお姉ちゃんは、小さく呟いた。
「感情の色が…永遠に見えない…貴方は、過去に何が…?」
その問には、無言で居た。
「落とし前付けないといけないのは、貴方なのよ?」
頭の中で、声がした。
過去は塗り替えられない。
それは、身に染みている。
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?胡桃_美咲翔?(プロフ) - 作りました!!パスワードは同じです!! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 18eae7edc1 (このIDを非表示/違反報告)
天秋(プロフ) - ?胡桃_美咲翔?さん» ふあいとー! (2020年3月23日 16時) (レス) id: f69f9f0f1e (このIDを非表示/違反報告)
?胡桃_美咲翔?(プロフ) - ちょ、おけおけ、作るからまっててw (2020年3月23日 16時) (レス) id: 18eae7edc1 (このIDを非表示/違反報告)
蓮@雫3318(プロフ) - ?胡桃_美咲翔?さん» さぁてくるっちゃん…続編のお時間だぁ! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 57a1a02777 (このIDを非表示/違反報告)
蓮@雫3318(プロフ) - 天秋さん» そゆことかな。 (2020年3月23日 16時) (レス) id: 57a1a02777 (このIDを非表示/違反報告)
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