【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】

願い。【天秋】 ページ27

「赤のお姉ちゃん、あんたはワイに助けてほしんか?それとも、現状維持を望む?」




ナミノ…



痛む腕を無理矢理動かして、わたしはナミノの手を握った。



「助けて…とは望まない…


だけど…わたしにもう一度…抗うチャンスをちょうだい。


極彩家に、行きたい。」





そう伝えるとナミノは驚いたような雰囲気を出して、次いでにやりと笑った。




「よう言ったなぁ、赤のお姉ちゃん。


ええで。連れてったる。」





ほんと、優しいね…。





瞬きをした次の瞬間、感じられた気配は崩壊した極彩家の分家だった。





ナミノは気を遣って、わたしだけをこちらへ送ってくれたらしい。




彼女には感謝しかないな。






「ナミノ、危なくなっても見ていてほしい。



けじめをつけなきゃ、わたしは永遠に前に進めなさそうだから。」





何て言っても、わたしが死にそうになればあの子は来るんだろう。



何だかんだ優しい子だから。







「失礼いたします。



こちらに、雨月さんはいらっしゃいますか？」







身体中の痛みに耐えながら、毅然と微笑んだ。

＊→←フランスにて。【文々。】

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