【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】

血塗られた赤【天秋】 ページ3

“目を治したい”



そんなの、考えたことなかった。



見たくないものは見なくて良いし、生活に不便はないから。




「クロエはフランスか…。」




そんなことを考えながら街をふらりと歩いていると、見覚えのある…知っている気配がした。




わたしが嫌いな血筋の気配。




「極彩家…まだ続いていたのか…」





いや、でも子孫に罪はない。



そう自分を納得させて、そこを離れる。





「さて。クロエのところへ行くか。」



ふわりと色彩の筆を出したとき、周りがざわついた。



不審に思って、筆を一振り。



赤い鳥を描いた。






その瞬間、



“呪いの赤だ”



“忌み子が帰ってきた”



“アキだ。追い出せ！”




そんな声がした。




「え…っ痛…」




状況を確認するまでもなく、年寄りや子供には石を投げられたり、若者には殴られたり蹴られたりする。






「痛…やめろっ…！」







わたしは…





わたしは…！














忌み子…なのかな…






“死 んでしまえ！赤の呪い子！”


“存在そのものが罪なんだよ！”








あぁ、やっぱりか…







「クロエ…っ…！」





助けてよ…

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