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壊れた心【天秋】 ページ13

何やらプレゼント交換をしているらしい。


そのわいわいした雰囲気に慣れないわたしは、そっとその場を離れた。



久しぶりに、あの血筋の家に行ってみるか。




あの雨月と言う子が居ることで、何か変わってるといいんだが。




ずっしりとした威圧を醸し出す門を、何の気なしに叩く。





「アキだ。当主に会わせろ。」




そう告げると、前来たときとは違う雰囲気が感じられた。



“アキ様だ!”


“丁重におもてなししろ!”




んん…?わたしは嫌われているはずなんだが。


いや、わたしがこちらを嫌っているのもあるが…。



「よくおいでなさった、極彩家へ。」



「ご厚意感謝する。然し、わたしとそちらは対立関係にあったはず。どういう風の吹き回しだろうか?」



そう言い返すと、一瞬当主が黒いオーラを纏った気がした。


本当に一瞬だったが…。



不審に思った瞬間、背を悪寒が走った。


当主の気配を探ると、さっきより濃く深い黒のオーラが。



「いやいや。何の事はない。



貴様のその実力を買ってやろうと言うのだ。」




「?!何を…っ!」



突然何人もの極彩家の人間に羽交い締めにされ、当主の「連れていけ」と言う声と共に空気が変わった。


冷たい…地下の空気。


「隠し扉でもあるのかい?やけに移動が速いじゃあないか。」



“五月蝿い!黙ってろ!”



「はいはい…っ痛…」




浮遊感があったと思えば、いきなり地面に叩きつけられた。




鉄格子が閉まる音がする。



“そこで大人しく、我々に色を捧げるんだな!”



「へぇ…目が見えないからって侮っちゃあいけないよ?」



筆を一振り。鉄格子を切るべく色を放ったが…



跳ね返ってきたらしい。



「痛っ…切れないのか…!」




はぁ…。今日は災難が多い日だ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー



あの捕まった日から、一日三十枚のペースで絵を描かされて、早一週間が経った。




食事はろくにくれないし、外にも出してくれないし。




描かなければ仕打ちを受ける。




いつからか体に限界が来はじめて、描けない日が増えた。



それと同時に、体の傷も増えていく。





「(もう…疲れたなぁ…)」




そんな気持ちが無くなるように


アキは、感情を塗りつぶして


機械的に絵を描き続けた。






きっと、アキを前々から知っている者は言うだろう。


“アキの絵じゃない”と。









アキは絵に対して、拭えない恐怖を抱いてしまった。

綺麗な水色【みさと】→←プレゼント【かふぇ】



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?胡桃_美咲翔?(プロフ) - 作りました!!パスワードは同じです!! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 18eae7edc1 (このIDを非表示/違反報告)
天秋(プロフ) - ?胡桃_美咲翔?さん» ふあいとー! (2020年3月23日 16時) (レス) id: f69f9f0f1e (このIDを非表示/違反報告)
?胡桃_美咲翔?(プロフ) - ちょ、おけおけ、作るからまっててw (2020年3月23日 16時) (レス) id: 18eae7edc1 (このIDを非表示/違反報告)
蓮@雫3318(プロフ) - ?胡桃_美咲翔?さん» さぁてくるっちゃん…続編のお時間だぁ! (2020年3月23日 16時) (レス) id: 57a1a02777 (このIDを非表示/違反報告)
蓮@雫3318(プロフ) - 天秋さん» そゆことかな。 (2020年3月23日 16時) (レス) id: 57a1a02777 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡桃美咲翔 x他3人 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年3月21日 10時

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