【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】 (ページ39)

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旅立つ【みさと】ページ39

「イロハちゃん！目線頂戴～！」
そう言われて、目線を送る。

パシャリパシャリと音がする。

天使のような絵師と有名になった私は、
メディアにも出るようになった。

フランスの有名ファッション誌の表紙を飾ることになった。

新作の香水や、ブランドのお洋服。
テレビにも出たし、絵を描くモデルとして私の腕はフランスだけには留まらず、

様々な国でも有名になった。

クロエお兄ちゃんは、
「イロハはもっと有名なるよ。神絵師の象徴になる日もそう遠くない」
そう言って微笑んだ。

テレビでドラマの撮影やCMの撮影、
映画等で帰るのが大幅に遅れそうだ。

筆を振るえば、世界が私を見てくれる。
もっと、もっと、色んな世界をこの目で見たい。

みんなにもっと寄り添えるようになりたい。
一番近くで側で、みんなが望む絵を描きたい。

アオイさんにきいたけど、
最近は日本でも私のCMや大きなポスター、
ファッション誌でも見かけない日はないらしい。

世界初の絵師でありモデルでもある人物。

みんなの価値観も変えられるように。
大きな存在になりたい。

薄い色でも綺麗だということ、
赤色はみんなを美しく見せる色だということ。
魂の色が白でも頑張れば絵師になれるということ

まるで自分の背中から羽が生えたように、
軽い。
どのまでも飛べそう。
なんでも出来る気がする。

だから、CMの撮影やファッション雑誌の撮影で、私は、積極的に赤色の服を身につけた。

赤色はこんなにも綺麗だよ。
沢山種類があるんだよ。
美しい色をしてるんだよ。

それを伝えたかった。

赤色を忌み嫌う日本のあの町にも、
私の筆が届くといいな。

目を閉じて思い浮かべる。
あの赤を嫌うあの町で、堂々と赤色を纏う女の子や男の子達を───。。

いつかあるかもしれない未来を想い描いて──