【第2章】この世を色で染め上げて【リレー小説】

存在意義【天秋】 ページ19

痛い…



誰か…っ…！






「っ！…はぁ…はぁっ…


ゆ…め…？」




起き上がったは良いものの、身体中の痛みにすぐ枕へ倒れ込んでしまう。




丁寧に巻かれた包帯は、すでに真っ赤に染まっていた。




「きゅうきゅ…箱…」




再度起き上がろうにも、体が言うことを聞かなかった。





紅茶の匂いがしない。ナミノは今いない。






「迷惑…かけてしまう…」





体を無理矢理動かして、壁づたいに玄関へ向かう。




一週間色を使い続けたせいで、疲労がすごい。





扉に手をかけたとき、ふわりと紅茶の香りがした。





「赤のお姉ちゃん…どないしたんや？」




「ナミ…ノ…。



ううん…何でもない…。



少しやんちゃをしてしまって…村の悪ガキ共とケンカしたんだ…。


気にしないでくれ…勝手に入って悪かった…」






ナミノに礼を伝え、横を通りすぎようとする。




「ちょっと待ち。」




筆の気配。



ナミノが何で筆を出したのかは分からないけれど、わたしは反射的にナミノの手を振り払った。





「嫌…ごめ…なさい…！


ちゃんと…描くからっ…！



ちゃんと描くから許して…ください…！」

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