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(Aside)
「んー、と……」
これは、なんて答えるべきなんだろう。
今はあなたのファンです、なんて言えないから、とりあえずはそういうことにしておく?
でもそれは嘘だし……。
「前は、そうでした」
短い時間で私なりに必死に考えた答えを口にした。
「前は……ってことは、今は特にいない感じ?」
「特定の人はいないかも、ですね」
あーあ、結局嘘ついちゃった。
ふーん、と答えた花巻先輩が、「それなのにマネージャー引き受けてくれてんのか。なんか悪いな」と笑う。
違うんです。
本当は、あなたが好きなんです。
……なんて事は言えるはずもなく。
でも、ちょっとだけ伝わればいいなと思って。
「でも花巻先輩とか、皆さんがバレーしてるところ、かっこよくて大好きです」
そう言った。
ちょっと言い過ぎたかと思って恐る恐る花巻先輩を見上げると、すごく驚いた顔をしていて。
そんな先輩を見たら恥ずかしくなってきて、思わず俯く。
すると、頭に手が置かれる感覚と、それと共に降ってきた優しい声。
「それは嬉しいわ、ありがとな」
「……っ!」
あれ、もしかして今、
花巻先輩に撫でられてる……?!
◇
「____よし。これでオッケーかな……?」
手に持ったリストとカゴの中身を照らし合わせて、全部あることを確認する。
レジでお会計を済ませて店を出ると、一足先に店を出て外で待っていた花巻先輩が、私に気付いてこちらに歩いてきた。
「すみません、お待たせしました」
「松浦さんこそ、わざわざありがとう」
「いえいえ……、あ、ちょっ、先輩、それ持ちます……!」
私の手からするっと花巻先輩が持っていったのは、ドラッグストアの袋。
水泳部のものも入ってるし、私が持たないと……! あれ重いし……!
必死に手を伸ばすも、ひょいと避けられて空を切った。
「いーの。こういうのは男が持つもんだから」
な?、と首を傾げて笑った先輩。
でも……と私が渋っていると、先輩は「それよりさ」と話を切り出した。
「腹、減ってない? もしよかったらどっかで食べて行こっかなー……と」
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殊梨(プロフ) - 冷凍庫さん» とっても嬉しいです、是非お願いしますm(._.)m (2019年10月3日 21時) (レス) id: a11fe8d0dd (このIDを非表示/違反報告)
冷凍庫 - イメ画を描いてもいいですか? (2019年10月2日 18時) (レス) id: 29ebb411a4 (このIDを非表示/違反報告)
殊梨(プロフ) - 黒伸☆〜(ゝ。∂)さん» 矢巾くんのポジション、どうするか凄く悩んだのでそう言っていただけてとても嬉しいです!ありがとうございます(_ _) (2019年8月29日 22時) (レス) id: 653275ba5c (このIDを非表示/違反報告)
黒伸☆〜(ゝ。∂)(プロフ) - コメント失礼します。主人公ちゃんとマッキーと矢巾んの三角関係が可愛くて大好きです!ああ!!3人とも幸せになれ!!と思いながら見てます!これからも頑張って下さい! (2019年8月29日 20時) (レス) id: d24404e68a (このIDを非表示/違反報告)
殊梨(プロフ) - 声優LOVEさん» コメントありがとうございます! わー嬉しいです(*/∀\*)頑張りますね〜! (2019年8月29日 19時) (レス) id: 653275ba5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:殊梨 | 作成日時:2019年8月17日 23時