彩と若武 鈴side ページ21
ええと、まあ、まず、非現実的すぎるなあ……。
だって、自死と言ったら、まず窒息とか飛び降り当たりが思い浮かぶと思うし、致死量なんて分からなくても取り敢えず、沢山飲めばいい。なんせ、亜ヒ酸だからね。とか思っている間に、彩の推理はしぼんでいってしまった。
「とにかく本人について調べてみよう。そうすれば、なにもかもはっきりするはずだ。」
そう言って若武くんが皆を見回した。
「黒木、梅津家を調べろよ。高柳真人について聞きこむんだ。」
「オッケ。」
黒木くんは“対人関係のエキスパート“らしい。
「上杉は、綾瀬中学を当たってくれ。あそこは数学がいいんで有名だ。秀明の先輩も行ってるし、お前の名前なら、数学オタクに知られてる。仲間内だから調べやすいだろ。」
そう言われた和典くんは嫌そうな顔をした。
「俺は、オタクじゃねーよ。」
「ああ、わかったよ、お前は、オタクじゃない。オタクの憧れの的だ。」
みんながくすくすと笑う。
なるほど、若武くんは人を使うのが上手なのね。こんな風に言ったら聞こえが悪いかもしれないけど、本当にそう思う。一人一人の特技や性格を把握した上で、その人にあった任務を与える。今のところ、リーダーというよりは、ボスって感じだけど。
「小塚は引き続き、分析を続けてくれ。有機ヒ素化合物らしきものが本当はいったいなんなのかをはっきりさせるんだ。いつまでも長ったらしい呼び方をしてるのは、ごめんだぜ。カッコつかないからな。それからアーヤは」
そういいながら、若武くんは視線を彩に投げかけた。
「高柳真人が、いったん投げたキーホルダーをまた取り戻しに来た訳を考える。人の気持ちについてアレコレ想像するのは、基本的には国語の力だ。」
じっと見据えられた彩は、項垂れてしまった。
「あ、私、高柳真人に接触してみてもいいかな？」
ばっとみんながこっちを見る。
「えっと、だめ、かな？」
「ダメだよ！危ないもん！毒物持ってる人に接触なんて！」
彩から却下される。
「んー、けど、高柳真人がどんな人か気になるし。」
じー、と彩の視線が突き刺さる。
「お願い！彩！危ないと思ったらすぐやめるから。ね？いいでしょう？」
「ん、うーん、わ、分かった。いいよ。」
「じゃあ、鈴さんは高柳真人へ接触。で、リーダーの俺は、ここでみんなからの連絡を待つ。以上だ。では諸君、頑張ってくれ。健闘を祈る！解散。…アーヤ。話がある。残れよ。」
私は、彩の耳元で大丈夫、と囁いた。
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night(プロフ) - みぷくんさん» 気づいたところは直しましたが、まだあるかもしれません…。 (2022年1月5日 15時) (
レス) id: 0cc99a9693 (このIDを非表示/違反報告)
night(プロフ) - みぷくんさん» すみません！すぐ直します！ (2022年1月5日 15時) (レス) id: 0cc99a9693 (このIDを非表示/違反報告)
みぷくん - 若竹の竹ですがこっちの武です。 (2022年1月5日 13時) (レス) @page26 id: a292e0e664 (このIDを非表示/違反報告)
night(プロフ) - シーさん» コメントありがとうございます。そんな風に考えながら書いてます！ (2021年12月26日 18時) (レス) @page19 id: 0cc99a9693 (このIDを非表示/違反報告)
シー - 彩にお姉ちゃんがいるとこんな感じなのかなと思いました。 (2021年12月24日 22時) (レス) @page11 id: bdade2f463 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：night | 作成日時：2021年11月10日 20時
