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あっという間に面会時間が終わって、かげはまた明日来るね、と帰っていってしまった。






急に一人になって、なんだか寂しい。






コンコンコン、とノックが聞こえて、入ってきたのは、起きた時に声を掛けてくれてた先生。






「…ごめんね、元太くん。…少しだけお話しても大丈夫?」








「…はい、」







「具合悪かったり、疲れてたら、また今度で良いんだけど、」






「……大丈夫です、」







起きたばかりなのにごめんねぇ、と申し訳無さそうに先生がさっきまでかげが座ってた丸椅子に腰かけた。







「…あの、元太くんのお母さんのことなんだけど、」






「…!」






お母さん。その言葉だけで、身体が震えて怖くて堪らない。






思わず身をぎゅっと固めれば、それに気がついた先生が背中を撫でてくれた。







「…大丈夫、……だいじょうぶ、だよ、」







先生の背中を撫でてくれた手がなんだか温かくて、凄く安心出来て。






ゆっくり息しよっか、なんて無意識に呼吸が早くなってた俺を抱きしめるようにして落ち着かせてくれた。







「…ごめ、…なさっ、」






「元太くんが謝ることじゃないからね?…あのね、さっき、お母さんに、元太くんが目を覚ました事を伝えたんだ。元太くんのお母さん、」






“泣きながら喜んでたよ”






「…っへ、」






そんな事、ある訳ない。







だって、俺のお母さんは俺の事が邪魔で、嫌いなんじゃ無かったの?






なんで今更。


…今更、なんだよ。






_______ 「…コネクトエトランジュってね、“お互いがお互いのことを大切に思っていないと、見れない仕組み”なんだよ。」________






海斗のあの言葉をふと思い出す。






じゃあ、今先生が言ったことは、本当なの?







「…でも、……“もう逢えない”って言われた、」






「…ぁえない、」






そう繰り返せば、うん、と先生は悲しそうに頷いた。






「…“元太に合わせる顔がない”って、」





元太くんの気持ちは、どうなの?






先生に聞かれて、言葉に詰まる。



俺の気持ちは、どうなんだろう。









…俺は。

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うらの(プロフ) - 初めまして。作品があまりに素敵で感動しました。随所に心がまっすぐなmtさん心がきれいなmcさんの気持ちが見れてとても心が暖かくなりました。素敵な作品をありがとうございました。 (9月22日 23時) (レス) @page50 id: 188a7a4fbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗彩 | 作成日時:2022年1月21日 0時

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