Moon étranger ページ36
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“最後にワガママ言っていい?”
なんて言って連れてきてもらったのは、ムーンエトランジュ。
一言で言えば、幻想的な場所で。
空には大きな月がキラキラと輝いている。
「ソラノムコウ、なのに、まだ“上”がある、ってさ、なんか不思議だね、」
みんなが気を使ってくれてムーンエトランジュで二人きり。
言葉にせずとも二人で向かい合ってギリギリまで近くに座った。
「……元太、来てくれて、ありがとうね、」
なんだか別れの言葉みたいで寂しくなってきて。
確かに、別れの言葉なんだけれど。
「……また、はなればなれ、」
「…げんた、大丈夫、俺、ずっとココで待ってるから、見守ってるからね、」
涙が止まならない俺を宥めるように優しく微笑んだ海斗。
「……っ、でも、!」
あっちの世界には、海斗は居ないし、俺は海斗の姿を見ることが出来ない。
「…………本当は、言うつもり無かったんだけど、」
“俺、ずっと前から、元太のことが好きだよ、”
「……へ、うそ、」
突然の告白に、驚いた顔で海斗を見れば、その顔が真っ赤に染っていて。
「嘘なんてつかねーよ、……好きな人には、“幸せ”に生きてて欲しいから、」
「…すきなひと、」
海斗の言葉を口にしてゆっくり噛み締める。
「……ぉれも、俺も、!……海斗のこと、ずっと好きで、大好きでっ、!」
そう言えば、ふっ、と、海斗が笑った。
「…ごめん、知ってた、」
「……ぇ、」
“だって元太わかりやすいんだもん”
なんて笑われて、自分の顔がどんどん赤くなっていくのが分かる。
「「…ふ、……あははっ、」」
二人同時に吹き出して笑い合った。
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うらの(プロフ) - 初めまして。作品があまりに素敵で感動しました。随所に心がまっすぐなmtさん心がきれいなmcさんの気持ちが見れてとても心が暖かくなりました。素敵な作品をありがとうございました。 (9月22日 23時) (レス) @page50 id: 188a7a4fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗彩 | 作成日時:2022年1月21日 0時