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海斗と二人でシメを探していれば着いたスノーエトランジュ。
「……シメ、」
タイガさんは居なくて、独り寂しげな後ろ姿に声を掛ければ、ゆっくりと振り向いた。
「…ぉ、マチュと元太、」
「もう帰らないといけないから、シメにバイバイって言いに来た、」
「…ぁ、そっか、……もうそんな時間か、」
何故か俺よりも寂しそうに目を伏せるシメ。
「……ねぇ、シメ、…ぉれ、ココに来れて良かった、と思ってる、」
「ぅん、二人の顔みてたら、俺もそう思うよ。……マツクは間違えてない、」
「……ありがと、」
海斗がそう返事をして、暫く沈黙が走る。
「だからさ、俺、シメにもしずさんにあって欲しいって思うんだ、」
「……だから俺は、!!」
「…お節介かも知れねーけど、お互いに逢いたいのに逢えないなんて、可笑しいよ、」
「っ……!」
膝から崩れ落ちたシメを海斗が抱き締めるように抱えて一緒に座ったから、俺もその前でしゃがんで、シメの目線に合わせる。
「俺さ、あっちの世界に戻ったら、どうにかしてしずさん探す。」
「そんな無茶、」
「無茶だって良いよ、……しずさんにも、シメにも、幸せになって欲しいから、」
たった数時間だったとしても。
俺はココに来れて、幸せだった。
「ねぇ、シメ、……コネクトエトランジュ行ってる?」
海斗の言葉にふるふると首が横に振られた。
「……じゃあさ、今度一緒に行こう?しずさんと元太を探しに、」
海斗がそう言えば、ポロン、と涙を零した。
「……分かった…ありがとう、……よろしくね、げんた、」
「うん、任せて、」
なんて言えば、シメは柔らかい笑顔を見せた。
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うらの(プロフ) - 初めまして。作品があまりに素敵で感動しました。随所に心がまっすぐなmtさん心がきれいなmcさんの気持ちが見れてとても心が暖かくなりました。素敵な作品をありがとうございました。 (9月22日 23時) (レス) @page50 id: 188a7a4fbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗彩 | 作成日時:2022年1月21日 0時