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「…おばあちゃん、ぉれ、」






言いにくそうに、そう言った海斗が下を向いて、握りしめた拳を握りしめる。






「…もしかして、カイトのお母さんとお父さんの事、?」






「…っ、」







悲しそうに目を伏せた海斗のおばあちゃんに海斗がそう、と頷いた。






「…ごめんねぇ、……ずっと、嘘ついてて、」







“嘘”という言葉に胸がグッと締まる感覚がして。





でも、海斗のおばあちゃんの方が俺よりもずっとずっと苦しそうだった。







「…うそって、…どういうこと、?」








「…本当はねぇ、海斗のお母さん、……私の娘なんだけど、ちょっと、ココロの病気でね?」







貴方が3歳になった時に育児に疲れて、私に海斗を預けて帰って来なくなっちゃったの。






海斗のおばあちゃんはそう言うと、ぽろん、と涙を流した。









「……ぉれの、お父さんは、」








「…貴方のお父さんはね、貴方が産まれた時から、一度も会ってない、」






「……そんな、」







言葉が詰まって出てこない海斗が、ぽろぽろと涙を流す。







「…ごめんねぇ、カイト、……貴方に、どうしても“本当の事”が言えなくって、」





“本当の事”




それがどれだけ悲しくて、辛かったとしても、その事実は変わることは無い。








「……かいと、」







海斗になんて言って声を掛けてあげれたらいいのか全く分からなくて、言葉が続かずに下を向けば、海斗が口を開いた。








「おばあちゃん、ぉれ、…おばあちゃんと一緒に暮らせて、ほんとに良かった、」

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うらの(プロフ) - 初めまして。作品があまりに素敵で感動しました。随所に心がまっすぐなmtさん心がきれいなmcさんの気持ちが見れてとても心が暖かくなりました。素敵な作品をありがとうございました。 (9月22日 23時) (レス) @page50 id: 188a7a4fbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗彩 | 作成日時:2022年1月21日 0時

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