8.怪我 ページ8
名古屋についた日の夜、彼から電話があった。
t「大丈夫なの?」
M『うん!もう大丈夫だよ!ごめんね?心配かけちゃって』
t「大丈夫だよ!としくんが大丈夫って言うんなら」
M『ほんとー?あ、玉森ベア預かったよ!ありがと〜』
t「だって俺いなかったら悲しいだろ?笑」
あぁ、なんでこんなに彼と電話してると楽しいんだろ。嫌なことも忘れられる。よし、明日から頑張るぞ!
翌日…俺はライブ中怪我をした。
右頬を特攻の火花で切っちゃった。
アドレナリン出てたから、痛いとは感じなかったけど…お客さんに当たらなくてほんと良かった。
このこと、としくんには言いたくないな。
だって…めっちゃ心配しちゃうじゃん。ただでさえ今体壊してるのに。
ライブ後、手当てをしてもらって処置室から出てきたら、ガヤさんがいた。
F「タマ、大丈夫か?」
t「うん、大丈夫。ごめんね?心配かけちゃって」
F「傷、治るといいな」
t「そうだ…ね」
無理に笑顔を作って見せた。多分、ガヤさんにはすぐに分かるだろうなー、俺が無理して笑ってるの。まぁいいや。明日でラストか。ライブも。……としくんに会いたい。無性に会いたい。そう思うと、涙が出ていた。
4日後、ツアーも終わって落ち着いて、俺の仕事が少しだけ忙しくなった頃、久々にお見舞いに行った。傷を隠してるテープを見られたくないから、マスクをして……
t「みーやた?入るよー」
M「タマーっ!来てくれたの!?ありがと!…あれ?マスクしてる…風邪ひいた?」
t「あ、うん!風邪ひいちゃって〜ゴホゴホ」
ホントは風邪なんて引いてないんだけど…としくんに心配かけらんないからね。ごめんね、嘘ついちゃって。
M「あっ、タマー!ちょっと聞いてよ!先生がね、リハビリ少し頑張ったらカウコン行けるかもって!」
t「え、マジ!?良かったじゃん!」
M「うん!俺頑張るよ〜( ˊᵕˋ )」
よかった、彼の笑顔が見れて…なんか安心して涙出てきそう。
M「…!?タ、タマ?なんで泣いてんの!?」
t「…え?」
M「大丈夫?どうした?」
え、俺…泣いてんの?確かに、視界がぼやけてるけど……泣いてるんだ俺。だって安心したんだもん。
t「安心したから…」
M「え?」
t「としくんが…手術成功して、カウコン出れるかもって…言ったから…」
M「タマ…」
あぁ、彼はこれを聞いて、なんて言うんだろ。怒られる?なんか…険しい顔してるみたいだし…
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作者名:beniimo_1048 | 作成日時:2018年8月6日 20時