30.予感の的中 ページ30
ここは…どこ?
真っ白な世界に、俺は1人。
辺りを見渡しても、誰もいない。
1人、寂しくなって泣いていた。
そしたら、誰かが俺のそばに来て、そっと…背中をさすってくれた。
見あげたら、俺の…大好きな人。
彼の瞳は悲しい色をしていた。
まるで、もう…俺のそばにいられないって顔をして……………
ハッとして起きた。…夢か………。
でも、なんか嫌な予感がする。
電話がかかってきた。相手は…彼のお母さん。
t「はい、玉森です。お母さん、どうしました?」
それが話した直後に聞いたママさんの声は、震えて、涙声になっていた。
M母『たまちゃん…としくんが……としくんが…』
俺は、頭の中が真っ白になった。
そして、歯磨きを適当に済ませて、何も着替えず、サンダルのまま…病院に向かって走っていた。
このから病院までは、約15分。
タクシーをひろった方が早いんだろうけど、それどころじゃない自分がいた。
急がなきゃ……急がなきゃ彼が…いなくなっちゃう。
さっき、彼のお母さんから言われた言葉…俺の夢の意味が的中した。
M母『としくんが……としくんが…昨日ね、熱が出て…今日、容態が悪化しちゃって…もう、今日までしか持たないだろうって…あとは……としくんが頑張らない限り、無理って…たまちゃん…逢いに来て、あげて?』
そう言われたら、そう言われたら会いにいかなきゃでしょ?
数分後、病室についた。
t「宮田っ!」
勢いよく、扉を開けた。
そこには、力なく俺を見つめる彼と、それを見守る家族の方たち、主治医の先生がいた。
M「…た、ま?」
t「としくん?俺だよ?来たよ?ねぇ…俺を置いて逝かないでよ…俺、もう少し一緒にいたいよ…」
M「タマ…ごめん、ね?」
t「としくん…」
ポロポロと出てくる涙。それを見て、辛そうな表情を浮かべる彼。
今握ってる手も、今回入院する前に比べたら、だいぶ細くなっている。
昨日の夜、少しだけ電話した時は、全然元気だったじゃん?
M『じゃっ!明日ねっ!タマおやすみ!』
あんなに元気だったでしょ?なんで…?
なんで急に容態悪化しちゃったの?
M「タマ…?俺ね…伝えたい、ことが…ある、んだ…よ?」
t「何?…何…?」
M「俺の…好きな人、教えて…あげ、る」
t「うん、」
M「それは…ね?家族や、メンバー…ファンの子達…宮田ガールズ……よりも……」
もう、俺の涙腺は…緩み続けていた。
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作者名:beniimo_1048 | 作成日時:2018年8月6日 20時