17.彼の決断 ページ17
M『でもね…今、考えたんだ。俺、この体が動かなくなるまで、お仕事頑張ろうかなって』
彼と電話をしてて、彼の口から出た決断。その言葉を聞いて、涙が出てきた。としくん…君はほんとにそれでいいの？後悔はないの？俺…辛いよ？君がいなくなるんでしょ？俺の前から………。
M『タマ…ごめんね』
t「…え？」
M『お前のそばに居てやれなくて、力になってあげられなくて、ごめんね』
その言葉は、また…俺の涙を次から次に流させてくる。辛い。胸が痛い…。嫌だ、離れたくないよ。
t「俺は…としくんから……離れ、たく…ないよ…」
電話の向こうの彼も、泣いてるみたいだった。彼も、辛いはずなのに…なんで俺が1番辛い彼よりもいっぱい泣いてるだろう。
M『俺だって…離れたくないよ………でもね？もう手術もできない可能性の方が大きいんだよ？』
t「…うん、わかってるよ……？俺、先生に…呼ばれたんだ、としくんか呼ばれる前に」
M『え…？なんで…？』
t「多分、俺に話しておきたかったんだと思う。先生ね、すっごく申し訳なさそうな顔して、俺に話してきてさ……先生も、手術できない辛さを隠して俺と話してた。俺ね…それ見てさ、ほんとにとしくんが消えちゃったらどうなるんだろうなって…考えたんだ。俺は多分、立ち直れないかもしれない。だけどね？いつものとしくんの笑顔を思い出しながら頑張ると思うんだよね？」
M『タマ…』
t「としくんがそう言うなら、俺もその覚悟をしてこれからの生活をしていくつもり。だから、ちゃんとサポートさせてよね？」
M『…あぁ、いいよ？タマなら、安心して俺のサポートを任せられるしね』
それから、俺らは電話越しに約束をした。君の最期の時まで……その時まででいいから、ずっと隣にいさせてください。
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作者名：beniimo_1048 | 作成日時：2018年8月6日 20時
